第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)に出場する21チームの区間登録が29日、発表された。史上初となる同一校2度目の3連覇(計9度目)を狙う青学大は、エースで主将の黒田朝日(4年)ら主力を補欠に温存する一方で、山区間の5、6区に松田祐真、石川浩輝のルーキー2人を抜てきした。

3年ぶり9度目の優勝を目指す駒大は伊藤蒼唯(あおい、4年)を切り札として6区に投入した。

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 箱根駅伝特有の当日変更のルールは本来「危機管理」として設けられた。例えば2区登録のエースが直前に故障などで走れなくなった場合、11番手の選手が代役を務めることは難しいので、主力選手のひとりは補欠に温存する必要がある。

 戦術的に活用されることも多く、当日変更を前提で区間登録される選手は「偵察メンバー」と呼ばれる。「外れた選手のことを考えていない」という批判の声もあるが、私は取材現場で「なぜ、僕が外れるのですか?」と不満を示す選手をひとりも見たことがない。

 19年大会。青学大の3区に登録されていた湯原慶吾(当時1年、現小森コーポレーション)は当日変更でエースの森田歩希さん(当時4年)と交代になった。それでも、湯原は「今回は偵察メンバーが僕の役割でした。次は走って優勝に貢献します」ときっぱり話した。湯原は翌年に10区を走り、優勝のゴールテープを切った。

 箱根駅伝を志す学生ランナーは、箱根駅伝特有のルールを真正面から受け止めている。(箱根駅伝担当・竹内 達朗)

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