第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)に出場する21チームの区間登録が29日、発表された。史上初となる同一校2度目の3連覇(計9度目)を狙う青学大は、エースで主将の黒田朝日(4年)ら主力を補欠に温存する一方で、山区間の5、6区に松田祐真、石川浩輝のルーキー2人を抜てきした。

* * *

 直近の11年で優勝8回。箱根路を初制覇した2015年から圧倒的な強さを誇る青学大の原晋監督(58)は落ち着いた表情で語った。

 「予定通りに区間登録できました。16人全員が元気に走れる状態です」

 マラソン日本学生記録保持者(2時間6分5秒)の絶対エース黒田朝日は、補欠に温存された。抜群の走力と上り適性を兼ね備えるため、5区予定の選手にトラブルがあった場合に備えての戦略でもあるが、3年連続で2区出陣が濃厚。前々回、前回も補欠登録から当日変更で2区に出場して、2年時は区間賞、3年時は区間新記録の区間3位と激走。優勝を引き寄せた。「黒田朝日は順調にスタートラインに立つことができます」と原監督は明言した。

 第102回大会の勝負手は山区間だ。上りの5区は松田、下りの6区は石川が抜てきされた。指揮官は才能と適性を見込んだ選手を1年時から山区間に起用することが多い。これまで青学大の優勝に貢献したスペシャリスト2人の名前を挙げて、今回のルーキー2人に対する期待を明かした。

 5区は22、24、25年に出場した若林宏樹。6区は16~19年に4年連続出場した小野田勇次。「松田も石川も若林、小野田が1年生だった時と同じくらいのレベルで走るでしょう」と原監督は話す。1年時、若林は1時間10分46秒で区間3位、小野田は58分31秒で区間2位。いずれも3回の優勝を経験し、4年時は区間新記録をマークして卒業した。「1年生で好走すれば、その後、3年間、山は安泰になる」と先も見据える。

 今大会に向けて「輝け大作戦」を発令。「走る10人だけではなく、控え選手、マネジャー、全員がそれぞれの立場で一番星のように輝いてほしい」と意図を説明する。「現在、『輝け指数』は90%! 大会当日、100%を超えるでしょう」と原監督は笑顔で話した。2026年の新春も青学大は箱根路で輝こうとしている。(竹内 達朗)

 ◆青学大の山区間ルーキー 6月の男鹿駅伝で松田は上り基調の2区、石川は下り基調の3区で区間賞を獲得し、山区間の候補に名乗りを挙げた。9月のU20日本選手権5000メートルで石川が13分48秒21、松田が13分58秒60の自己ベストを記録後、レースには出場せず、山の練習に特化。

2人とも1万メートル、ハーフマラソンの公認記録は持っていないが、山で勝負する「強さ」を磨いた。松田は福岡・大牟田、石川は長野・佐久長聖の出身で、昨年12月の全国高校駅伝では優勝を争った。ともに名門出身で、大舞台に慣れていることは強みとなる。

編集部おすすめ