第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)を主催する関東学生陸上競技連盟は29日、出場21チームの1~10区登録と補欠登録6選手を発表した。往路(2日)、復路(3日)ともにスタート時間(午前8時)の1時間10分前に当日変更が可能で、各校ともに補欠登録した主力選手を勝負区間に投入する。

変更は区間登録選手と補欠登録選手の交代だけで、区間登録選手同士の交代はできない。

 箱根駅伝予選会(10月18日)の敗退校で編成され、本戦にオープン参加する関東学生連合は、1区に筑波大の川﨑颯(3年)、2区に駿河台大の古橋希翁(3年)、3区に法大の大島史也(4年)と序盤に実力ランナーがそろった。

 予選会の個人ハーフマラソンでは、1時間2分12秒で個人総合12位、日本人5位と好走して関東学生連合チームでトップだった東大の秋吉拓真(4年)は7区に登録された。予選会の後、11月上旬に肺炎を患い、11月29日の日体大学長距離競技会1万メートルでは自己ベスト記録(28分45秒62)から約1分遅れる29分43秒29と苦戦。しかし、その後、調子を取り戻し、12月13日に千葉県内で行われた関東学生連合の合同練習で好走し、7区登録を勝ち取った。「練習の感じでは状態は良くなっていると思います。体調も良いので本番で良い走りが出来るように頑張ります」と秋吉は前向きに走った。

 関東学生連合は、今大会から選考基準が2点、大きく変更され、戦力アップが期待できる。

 〈1〉前回まで予選会落選校の中からハーフマラソン個人の上位16人(各校1人)が選出され、本戦登録の12月10日の時点で走れない選手もいたが、落選校上位10校のチーム枠(10人)の選手選考は各校に委ねられたたことで好調の選手が登録された。予選会総合21位以下の所属で個人上位6人は実力派がそろった。

 〈2〉出走上限が1回から2回に緩和。前回8区に出場し、区間7位相当だった秋吉は1年前の貴重な経験を生かすことができる。

 秋吉は、兵庫・六甲学院高から滑り止めなしで東大を受験して現役合格。1500メートル(3分48秒20)、5000メートル(13分50秒09)、1万メートル(28分45秒62)、ハーフマラソン(1時間1分38秒)の4種目で東大記録を持つ。文武両道の秋吉は、卒業後も学問と競技を追究する。

 現在、東大工学部機械情報工学科4年は東大大学院情報理工学系研究科・知能機械情報学専攻の院試験に合格。その一方で、複数の実業団から勧誘され、熟慮の結果、青学大時代に「3代目・山の神」と呼ばれた神野大地が選手兼監督を務めるMABPに進む。競技と学問の両立を目指す秋吉の意思を最大限に尊重したチームがMABPだった。究極の文武両道ランナーの2度目の箱根路挑戦は、第102回大会の見所のひとつとなる。

 関東学生連合は当日変更がなく、1~10区までの登録選手が、そのまま出走することが濃厚。チーム成績、個人成績が公式順位にならないオープン参加であることに変わりはないが、記録よりも記憶に残る力走を期す。

 関東学生連合の区間登録選手と補欠選手は以下の通り。

 ◇関東学生連合(オープン参加、前回16位相当)

 1区 川﨑  颯(筑波大3年)

 2区 古橋 希翁(駿河台大3年)

 3区 大島 史也(法大4年)

 4区 大湊 柊翔(明大3年)

 5区 高橋 歩夢(明治学院大3年)

 6区 山中寿世夢(国士舘大3年)

 7区 秋吉 拓真(東大4年)

 8区 横尾  皓(芝浦工大4年)

 9区 染谷 雄輝(日本薬科大4年)

10区 佐野 颯人(武蔵野学院大3年)

 補欠 本多 健亮(東大大学院2年)

 補欠 光安 航希(亜大4年)

 補欠 相田 昊生(上武大3年)

 補欠 上山 詩樹(専大3年)

 補欠 相川 正樹(平成国際大2年)

 補欠 柿内 心温(拓大2年)

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