スケール感を抱かせるには十分なデビュー戦だった。プラウディッツ(牝3歳、美浦・田中博康厩舎、父キタサンブラック)は12月20日、中山2000メートルの大外枠という悪条件を難なく克服しての快勝。

大きく固まった先団馬群の後ろにポツンと位置を取ると、終始、外、外に進路を取る“安全運転”で、最後の直線ではライバルが止まって見える伸び脚で1馬身3/4差。このメンバーでは力が違ったとしか言いようがない。

 この日の中山の芝の勝ち馬は、このレース以外全て逃げ馬や4角3番手以内と、先行馬が圧倒的に優勢だった。同馬のコーナー通過順は(11)(11)(8)(6)。さらに外を回るロスの大きい中での勝利は価値が高い。加えて、操縦性の高さは目を見張るものがあり、さすが馬の教育に定評がある田中博康厩舎だと思わされた。

 勝利後のトレーナーの口からは思わぬ言葉が飛びだした。「気性的にも高ぶりやすいところがあったので、うちの厩舎としてはソフトに調整をして、能力を信じて作ったところもありました」。おそらく6、7割程度の仕上げであの圧倒的パフォーマンス。先々はどこまで走ってくるのか、何よりその状態できっちり1勝を手にしたところが能力の証明といえる。

 ルメール騎手、田中博師はともに距離延長は歓迎の口ぶり。冷静なトレーナーから「ゆっくりとクラシックを目指していける器」という言葉が口を突いたのもうなずけた。

父がキタサンブラック、母が米G1馬という配合も大舞台をイメージさせる。オークスで目が離せない存在になると見ている。(石行 佑介)

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