◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)挑戦者決定戦 井岡一翔―マイケル・オルドスゴイッティ ▽WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)級挑戦者決定戦 吉良大弥―イバン・バルデラス(12月31日、大田区総合体育館)

 元世界4階級制覇王者でWBA世界バンタム級9位の井岡一翔(36)=志成=が30日、都内のホテルでWBA世界同級挑戦者決定戦の前日計量に臨み、リミットの53・5キロでクリア。日本男子初の世界5階級制覇を見据え、転向初戦に臨む井岡は「バンタム級でも戦えるなというところを見せたい」と意気込んだ。

WBA世界ライトフライ級挑戦者決定戦に臨むWBA同級2位の吉良大弥は、次戦5戦目での世界王座獲得へ自信を示した。

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 4階級制覇を果たしたレジェンドが、バンタム級戦線に殴り込みをかける。井岡は7か月ぶりの再起戦へ「いいパフォーマンスで勝たなければ。バンタム級でも全然強いな、戦えるなというところを見せたい」と決意表明。マイケル・オルドスゴイッティ(24)=ベネズエラ=と12秒間のフェースオフを終えると、握手を交わして笑みをこぼした。

 階級の壁も乗り越える。27日にサウジアラビアで3階級制覇王者・中谷潤人(M・T)がスーパーバンタム級転向初戦に臨み、思わぬ苦戦を強いられた。井岡は「階級を上げたことで厳しい展開になった部分もあると思うが、階級以前に戦い方としてきつい展開だったんじゃないか」と分析。「僕自身も常に階級を上げる難しさは覚悟しながらやってきている。あの試合を見て階級を上げることが難しいとは別に感じなかった」。4階級制覇の経験に自負をにじませた。

 昨年7月、WBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦でフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)に敗れ王座陥落。

今年5月の再戦も判定で敗れた。10月、バンタム級に転向し5階級制覇を目指すことを発表。今回の試合に勝ち、WBA選手権委員会で承認されれば、WBA王者・堤聖也(角海老宝石)への指名挑戦権を得る。

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)も来年フェザー級に転向して5階級制覇を目指す意向だ。井岡は「井上選手が狙うから自分が先に、という気持ちも正直ない。彼は彼で偉業を達成されている方。彼のスタイルとかタイミングがある」と話し、「僕はこのタイミングで明日いい勝ち方をして、5階級制覇につながる試合をしたい」。13度目の大みそかのリングで、日本男子初の偉業に王手をかける。(勝田 成紀)

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