第76回NHK紅白歌合戦が31日、東京・渋谷のNHKホールで行われ、白組最多の38回目の出場となる郷ひろみは、今回をもって「一区切り」と“紅白勇退”を発表したばかり。ラストステージで、自身の代表曲「2億4千万の瞳ーエキゾチック・ジャパンー」を披露。

何度となく紅白の舞台で披露してきた楽曲だが、万感の思いで全力パフォーマンスを届けた。

 出場は実に38回と、今回の白組のアーティストでは最多。さまざまな名場面を彩ってきたエンターテイナー。白とゴールドのスパンコールの衣装。全力ターンに全力ジャケットプレー、出演者とハイタッチを交わしながらのホール内を全力疾走し、自らの持ちうる力を注ぎ込んだ。間奏では「紅白、ありがとう! 紅白、最高(GO)~!」とシャウト。歌唱後には「こんなに最高の『2億4千万の瞳』はなかなかないです。本当にありがとうございました」と晴れやかな表情を浮かべた。

 郷は12月29日、自身の有料ファンクラブサイトで紅白に「一区切り」をつけると発表。古稀(こき)を迎えたことを節目に決断し、この日の出演前にも「新しいアーティストに思いをつなげたい」と若い世代へと思いを託していた。

 53年の歌手人生で、郷と紅白はつねに伴走してきた宝物のような存在。デビュー翌年の1973年に初出場を果たすと、74年の紅白では「花とみつばち」で野口五郎西城秀樹さん(18年死去、享年63)がバックダンサーを務め新御三家がそろい踏み。

米国での”武者修行”などを理由に出場が途絶えた時期もあったが、2010年に復活してからは毎年あっと驚く演出で視聴者を楽しませてきた。

 70歳でも息を切らさず歌って踊れる全力パフォーマンスはストイックに自分を律してきた日々の積み重ねの賜物。郷ひろみは郷ひろみを貫き、完全燃焼で思い出深い紅白に別れを告げた。

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