◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)挑戦者決定戦10回戦 〇井岡一翔―マイケル・オルドスゴイッティ●(31日、大田区総合体育館)

 WBA世界バンタム級挑戦者決定戦で、元世界4階級制覇王者でWBA同級9位の井岡一翔(36)=志成=が同級11位マイケル・オルドスゴイッティ(24)=ベネズエラ=に4回2分42秒でKO勝ち。同級転向初戦を白星で飾り、日本男子初の5階級制覇に“王手”をかけた。

リング上のインタビューではWBC同級王者・井上拓真(大橋)に挑戦状をたたきつけた。

 井岡は昨年7月、WBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦でフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)に敗れて王座陥落。今年5月の再戦も判定で敗れた。10月、バンタム級に転向し5階級制覇を目指すことを表明した。

 バンタム級に上げ、練習全体の約3割だったフィジカルトレーニングを約半分にまで増やした。「単純にウェートトレーニングをして筋肉をつけても使えなきゃ意味がない」と、頭と体を連動させ強化した筋力をパワーに転化するための体の使い方を学んだ。「勉強ですよね。知識を増やして自分が体で感じることで、より動けるようになってきた。自分にまだこんなに伸びしろがあるんだと感じている」。36歳は、進化を止めない。

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=も26年にフェザー級へ転向し、5階級制覇を目指す意向を示している。井岡は試合前日、「井上選手が狙うから自分が先に、という気持ちも正直ない。

彼は彼で偉業を達成されている方。彼のスタイルとかタイミングがある。僕はこのタイミングで明日しっかりいい勝ち方をして、5階級制覇につながる試合をしたい」と話していた。

 今回の世界ランク9位と11位による今回の挑戦者決定戦について、WBAのホセ・オリバー・ゴメス・ゼネラル・アドバイザーは「今回の試合の勝者がダイレクトに世界戦をやるということにはならない」とした上で、WBA選手権委員会での承認を受ければ、WBA正規王者・堤聖也(角海老宝石)への挑戦権を得ると話した。

 WBA王者・堤聖也(角海老宝石)は12月17日、暫定王者ノニト・ドネア(フィリピン)との死闘を制し、2度目の防衛に成功。次戦はWBA休養王者アントニオ・バルガス(米国)との対戦が規定路線だが、井岡の挑戦を受ける選択肢も浮上してきそうだ。

 また、11月に王座返り咲きを果たしたWBC王者・井上拓真(大橋)は、来年5月の東京ドーム興行で初防衛戦に臨む見通し。井岡は同級で一番対戦したい相手として拓真の名を挙げている。拓真も井岡との対戦に前向きで、ドーム興行での対決が実現する可能性もある。

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