第102回を迎える箱根駅伝(2、3日)を運営する関東学生陸上競技連盟(関東学連)の幹事長・次呂久(じろく)直子さん(東海大4年)が晴れ舞台を前にスポーツ報知の取材に応じ、箱根駅伝へ向けた1年の流れや、やりがいなどを語った。次呂久さんは2024年、関東学連で歴代3人目の3年生幹事長として奮闘し、25年度で就任2年目。

関東学連に入った経緯やこれまでの成長、運営する各大会への思いも明かした。(取材・構成=手島 莉子)

 お正月の風物詩として年々、人気を高めている箱根駅伝。関東学連の次呂久幹事長は「この先もずっと10年、20年、100年と愛され続ける大会であってほしいと思っています」と笑顔で思い描いた。静岡・加藤学園暁秀高時代は陸上競技部のハードル選手で「トラックからロード種目まで、陸上競技全般が好き。大会運営もしてみたい」と熱い思いを持って加わった。幹事長は例年4年生が務めるが、先輩の退任などもあり、24年、歴代3人目の3年生幹事長に就任。25年で2年目を迎えた。

 幹事長、副幹事長、会計の3役以外に審判、報道、記録、印刷、物品の5つの担当業務に約40人が分かれて活動。関東学生陸上競技対校選手権大会や関東大学女子駅伝など、1年間で運営するのは10大会。並行して、通年で箱根駅伝への準備を進めていくのだ。次呂久幹事長も「学生主体とは知って入りましたが、こんなことまでやっているんだ」と1年目は驚くことばかりだった。

 箱根駅伝への1年は、1月3日にレースが終わった直後から始動する。

「みんなの記憶が新しいうちに話し合っておく必要があります」と改善点をあぶり出し、次大会をより良いものにしていく。今季は審判員・補助員の配置を大幅に改善見直し。前回大会の映像を、各中継所の主任を中心に手分けして全て見返し「ここはガードレールがないから審判員が必要、逆にここは不要…」などと話し合って整えた。警視庁、神奈川県警察、各中継所などに足を運び、来年への話を詰めていくのも、スーツをビシッと着こなした学生たち。次呂久幹事長も「就活の時しか着ないと思っていたスーツを毎日のように着て、名刺交換まで。他の大学生ではできない経験をさせていただいて、今後にも生きるなって感じています」と日々、成長している。

 10月は箱根予選会。関東学連の学生たちは前日準備をして立川市のホテルに泊まり、当日は午前4時半には現地に着いて準備を進める。予選会での幹事長の一大仕事は結果発表。今大会は特に運営がスムーズに進み「余裕を持って待機できたからこそ、足が震えるくらい緊張した」と振り返るが「次の日、ニュースで見たよって反響もすごいありました」と笑顔でこなした。

 12月は監督会議や車両乗務員、審判員、補助員との会議などが毎日のように行われるため「平日はほぼ毎日、事務所にいます」と全員が座りきれないほど学生であふれる。各所との綿密な打ち合わせや道路使用許可申請から、当日に向けた詳細な各種マニュアルの作成等をこなし、12月10日のエントリー、同29日の区間エントリーを経て本番を迎えるのだ。

 関東学連の学生たちの絆は深い。「同期とは家族よりも長い時間、一緒に過ごしている。思い出もありますし、本当に仲が良い」と次呂久幹事長。3年生で幹事長になり、当時は不安も大きかったが「一緒に全力で向き合って、一緒に歩んでくれる同期がいたからこそ、ここまでやってこられた。公私ともに支えてもらった」と熱いサポートで2年間の大役をこなしてきた。今の学連幹事には「誰かのために何かをしたい」という思いを持った学生が集まっているからこそ、「箱根駅伝に関わりたい気持ちももちろん大切ですが、選手のために、お客さんのために、より良くしたい気持ちが大事です」と来年以降の加入者へも期待を込めた。

 熱い戦いの裏には、支える人たちのストーリーがある。沿道の走路員には出場を逃した大学や、長距離ブロック以外の陸上競技部員たちも大会運営に尽力。「それぞれが思いを持って箱根駅伝を迎えています。裏方で動いている人たちのことを、少しでも頭の片隅に入れて見てくれたらうれしいです」。第102回を迎える学生による継走。「それぞれの人たちにとって、何か心に残る大会になってくれればいいなと思っています」と全員が一致団結し、盛り上げていく。

 ◆次呂久 直子(じろく・なおこ)2004年2月9日、静岡・沼津市生まれ。21歳。陸上部で主に100メートル障害を専門とし埼玉・開智未来中、静岡・加藤学園暁秀高まで続ける。東海大の体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科に進学し、1年時から関東学連に加わった。

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