◇第102回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ)

 早大が往路2位でゴールした。2008年以来18年ぶりの往路優勝は逃したが、1位の青学大とは18秒差(速報値)。

復路での逆転優勝を狙う。

 1区の吉倉ナヤブ直希(2年)が区間7位、2区の主将・山口智規(4年)が区間4位、3区の山口竣平(2年)は区間8位と踏ん張ってつなぎ、4番手で4区の大物ルーキー・鈴木琉胤(るい、1年)へ。軽快に走り出した鈴木は序盤で城西大をとらえると、約10キロで駒大も抜いて2位浮上。ケニア人留学生、ヴィンセント(2023年、東京国際大)の区間記録まで1秒に迫る1時間1秒の区間賞。力強く5区へつないだ。

 山上りの5区は前回区間2位の快走で“山の名探偵”としても注目を集めた工藤慎作(3年)。グングン山を駆け上がり、9・8キロでついに中大をとらえた。並ぶことなく逆転したが、残り2キロを切って猛追してきた青学大・黒田朝日(4年)にかわされ悔しい結果となった。

 マラソン15戦10勝のレジェンドOB瀬古利彦さんは昨年12月27日、練習拠点の埼玉・所沢市の所沢キャンパスを訪れ、必勝法として「逃げ逃げ大作戦」を授けた。山口智、工藤、鈴木らを激励。OB会長としてあいさつにした瀬古さんは「私たちは君たちに『頑張れ』と言わない。この1年、君たちが、とても頑張ってきたことを知っているからです。

自分を信じて、仲間を信じて走ってください」と心を込めて呼びかけた。

 瀬古さんの激励は徐々に熱を帯び「瀬古節」が飛び出した。「この前、青学大の原晋監督と会った時『今回の箱根駅伝は青学大、駒大、国学院大、中大の4強ですよ』と言われた。4強に早稲田は入っていなかった。悔しかった!山口智規、鈴木琉胤にはプレッシャーをかけるぞ。君たちの力でトップに立ってほしい。箱根駅伝くらいでプレッシャーを感じていたら世界では戦えないから。5区の工藤は2分、できれば3分、勝ってほしい。山の名探偵、難問を解決してくれ。往路で勝って、復路では逃げに逃げる。名付けて『逃げ逃げ大作戦』だ」

 青学大の原監督の代名詞とも言える「大作戦」が瀬古さんによって発令され、選手はリラックスした笑顔を見せると同時に、箱根路制覇に向けて、改めて気持ちを高めた。

 チームの目指す方向は、シーズンの最初から定まっていた。

総合4位だった昨年の箱根駅伝が終わった直後の1月3日。花田監督は「来年優勝するぞ」と力強く言った。同4日の第1回ミーティングでは「箱根でどうやって優勝したら良いんだろう」と山口智が問いかけた。長野・佐久長聖高時代に全国高校駅伝優勝経験ある山口竣らが当時のチームの雰囲気を話すなど、様々な視点から討論し「みんな熱い気持ちがある」と山口智。新チームの気持ちは早くも一つになっていた。

 今季、本気で狙ってきた総合優勝はまだ実現可能性がある。「全員が今のチームに対して全く満足することもない。まだまだできることはあるんじゃないかって考えながら取り組んでくれています」と山口智。まだまだ総合優勝はあきらめない。

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