◇第102回東京箱根間往復大学駅伝競走往路 (2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ)

 青学大が5時間18分8秒の新記録で3年連続8度目の往路優勝を果たし、史上初となる同一チーム2度目の3連覇(計9度目)に王手をかけた。首位と3分24秒差の5位でスタートした5区(20・8キロ)の黒田朝日(4年)が区間新記録の1時間7分16秒と衝撃的な走りで、4人をごぼう抜きした。

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 黒田朝日の歴史的な爆走の陰にはランナー一家総出のサポートがあった。

 5区の15・8キロ地点で給水係を務めたのは、同じ青学大駅伝チームに所属する然(ぜん、2年)だった。然は前回、16人の登録メンバーに入ったが、今回はチーム17~18番手で惜しくも登録メンバーから外れた。「僕はリクエストして然に給水係をしてもらいました。励ましてもらった」と、兄は背中を押してくれた弟に感謝した。

 黒田兄弟の父、将由さん(44)は法大1年時の2001年箱根駅伝1区で3位と好走し、芝浦工大の徳本一善監督と「オレンジエクスプレス」を編成し、箱根路を沸かせた。妹の六花(りっか)は全国レベルの強豪、宮城・仙台育英の2年生で、昨年の全国高校総体1500メートル11位(日本人7位)。朝日によると、末妹の詩歌(しいか)ちゃんもまだ小学生ながら駆けっこが抜群に速いという。

 この日、黒田家は然が給水係を務めるポイントで観戦した。「朝日のことはもちろんですけど、給水係の然のことを一生懸命に応援しました。来年、然が箱根駅伝を走ってくれればうれしいですね」と将由さんは柔らかな笑顔を見せた。

 箱根路で活躍し、実業団の中国電力に進んだ将由さんは「子供たちに陸上を教えたことはありません。

楽しんで走れば、それだけでいいんです。私も楽しんで走りましたから」と話す。

 黒田朝日は、苦しそうな顔をしても軽やかに走る。長距離走という苦しい競技で、いつも、結果を残す黒田朝日の強さの理由を父に見た。(箱根駅伝担当・竹内 達朗)

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