◇第102回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 往路17位から総合9位に滑り込んだ帝京大が、大逆転でシード権を獲得した。「日本一あきらめの悪いチーム」は最終10区をシード圏内10位と13秒差でスタート。

競り合う相手が見えない難しい状況で鎗田大輝(4年)が“タイムの壁”を追う激走を見せた。

 走っている最中に響いたのが、運営管理車に乗った帝京大・中野監督の猛ハッパ「あと2秒だぞ!」「2秒負けてるぞ」「飛び込め!」。メガホンを通じて、沿道まで響き渡った。鎗田としては“10位まで2秒差の11位”に聞こえてしまったようだが、実際は9位圏内にいた。レース終了後、9位にいることは分かっていたと中野監督も明かしたが、ではなぜ「2秒だぞ!」と連呼していたのか。中野監督によれば、テレビの実況で叫んでいた「2秒」につられてしまったようで情報が錯綜。すぐにテレビの実況と実際のタイムの差にズレが生じていたことに気づいたが、そのまま流した。

 この2秒で“ガソリン”が入った鎗田は奮闘し、13・3キロ地点の新八ツ山橋までに9位へ浮上。最終的には総合9位でフィニッシュした。嘘も方便? 名将・中野監督らしい箱根の復路エピとなった。

 過去には2011年大会で青学大が復路16位から9位まで巻き返しシード権を獲得した例があるが、今回はそれを上回る、史上最大の逆転劇。中野孝行監督は「往路後に取材もほとんどなくて『ちくしょう』と思って頑張りました。

往路17位からのシードはないと思う。本当にミラクル。学生の力ってすごいなって思いますね。きょうは、4年生たちが自分たちがやってきたことは間違っていないと証明してくれました」と選手たちをたたえていた。

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