ソフトバンクのザイレン(曽布川ザイレン)内野手(19)が、しずおか報知の新春インタビューに応じた。フィリピン人の母を持つ高校通算29発の大砲として注目を浴び、浜松商から2024年ドラフト育成2位入団。

昨季は主に3、4軍で研さんを積んだ。支配下登録を目標に掲げる若鷹が、決意の2年目へ新年の意気込みを明かした。(取材・構成=伊藤明日香)

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  ザイレンは、ルーキーイヤーの昨季を「本当にあっという間でした」と振り返る。3軍・4軍戦で96試合に出場し、打率2割8分3厘をマーク。「入団したての頃は、球の速さやボールのキレが高校とは全く違い、大丈夫かなと心配になったほどですが、体をつくり、試合で経験を重ねるうちに対応できるようになってきました」と胸を張る。

 入団後は、先輩たちのプレーから大きな刺激を受けた。「1軍の選手は格が違います。簡単にホームランにしてしまう選手ばかり。特に憧れていた柳田さんがリハビリでタマスタ筑後に来た際の打撃練習を見ましたが、力強いスイングで圧倒されました」。この経験が成長の糧になった。

 体づくりに専念し、体重は昨年より6キロ増の88キロになり右の長距離砲はパワーアップを遂げた。高校では通算29本塁打で注目を浴びたが、プロ初年度のアーチ数は4。

初本塁打は4軍で出場した九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズ戦(5月4日、リブワーク藤崎台)。バックスクリーン横への一撃だった。初安打のボールとともにロッカーに保管している。「打席でも長打が増えてきていると実感しています」と手応えを口にした。

 悔しさも成長のバネにする。唯一の2軍戦出場となった9月15日のウエスタン・リーグ、くふうハヤテ戦(タマスタ筑後)では1打席立ったが、結果は空振り三振。「初球からどんどん振っていくのが自分の魅力だったのに、緊張して硬くなってしまった」と反省。その後修正し、10月開幕のみやざきフェニックス・リーグに臨んだ。他球団の2軍選手との対戦を通じて経験を積み、「もう一度チャンスを与えられたと思い、試合に臨みました。自分の中では、2軍戦でも戦えるという手応えを感じることができました」と力を込めた。

 今後の目標について、「日本シリーズはテレビで見ていましたが、いずれああいう舞台で自分も活躍できる選手になりたい。そのためにも、一つ一つの課題を着実にこなしていきたい」と意気込む。

今年の漢字一文字を「結」に定めた。「ルーキーイヤーで得た経験を生かし、2年目は結果にこだわりながら、着実に課題に取り組んでいきたい」。決意の2年目を飛躍の年にする。

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  高校時代から取材を続けてきたが、曽布川の最大の魅力は、身体能力や体格以上に「継続力」だ。入団後も姿勢は変わらない。トレーニングを生活の中心に据え、オフシーズンも体づくりに向き合う。その原点は小学2年生にさかのぼる。父の指導の下で、1歳上の兄と一緒に登校前の早朝、約1時間トレーニング。雨の日も室内で体幹を鍛え、中学時代は自主練習を重ねた。浜松商では高校近くの下宿で生活し、食事管理とトレーニングに専念。1日で計1・6キロの米を摂取して鍛錬を続けた。好きな言葉は「初心忘れるべからず」。

その歩みを思えば自然と腑(ふ)に落ちる。

 数少ない息抜きが、野球ゲーム「パワプロ」だ。「能力値高めのザイレンを作って、ソフトバンクの選手たちと打順を組みました。自分を5番に置いたりしました」と笑顔も見せていた。理想を現実に変えるため、今日も努力を積み重ねている。

  ◆ザイレン(曽布川=そぶかわ=ザイレン)2006年5月29日、浜松市生まれ。19歳。小学2年生から浅間野球スポーツ少年団で野球を始め、小学4年から雄踏野球スポーツ少年団でプレー。浜松市立雄踏中を経て浜松商に進学。プロ入団後は、一塁と三塁の守備位置につく。24年ドラフトで育成2位指名を受けソフトバンク入団。178センチ、88キロ。

右投右打。年俸(推定)360万円。家族は両親、兄。

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