第102回箱根駅伝(1月2、3日)で往復路、総合すべて新記録で史上初の同一チーム2度目の3連覇(計9度目)を達成した青学大の原晋監督(58)は4日、5区で1時間7分16秒の圧倒的な区間新記録をマークし「シン山の神」&「4代目・山の神」を襲名した黒田朝日(4年)、8区で区間新記録をマークして3年連続区間賞を獲得した塩出翔太(4年)、チームを陰で支えた徳澄遼仁主務ら4年生の選手、マネジャー計14人に卒業旅行をプレゼントすることを明かした。

 青学大は2015年の箱根駅伝で初優勝。

その後、原監督はテレビ出演や講演などの依頼が殺到する“売れっ子”に。2016年以降、その副収入の中から卒業旅行をプレゼントしている(コロナ禍の2021年は除く)。「学生スポーツは4年生が主役です。今季の4年生もよく頑張った」と高く評価。その感謝の気持ちとして今年度の4年生にも「卒業旅行」をプレゼントする。

 大学スポーツ界において監督による卒業旅行プレゼントは異例中の異例。一部では批判もあるが、それに屈することなく、原監督は独自の指導とマネジメントを貫いている。

 現在、行き先を検討中で、米ハワイや国内高級旅館などが候補に挙がっている。黒田朝日が「箱根もいいかも」と冗談交じりに提案すると多くのチームメートが「箱根はもういいって!」と突っ込みを入れた。

 「円安の今、ハワイに行くよりも金沢などの高級旅館ですしを食べた方がいいよ。監督は行かないし、学生で決めればいい」と原監督は笑顔で話した。原監督の妻で寮母の美穂さん(58)は「どこに行くか、より、誰と行くか、が大事」と毎年度の4年生に「金言」を送っている。

 卒業旅行とは別に2月には4年生全員で大阪に行くことが決まっている。現4年生と同期の皆渡星七(みなわたり・せな)さん(当時3年)が昨年2月に悪性リンパ腫のため、21歳の若さで亡くなった。2月21日に皆渡さんの故郷の大阪・豊中市で、昨季主将の田中悠登さん(23)が中心となって「ななつぼしマラソン」が開催される。「4年生みんなで参加します。優勝して、星七にいい報告ができます」と塩出は静かに語った。

 青学大の卒業生は、4年時の箱根駅伝の作戦名が世代のニックネームとなるため、今季の4年生は「輝け世代」となる。今年のニューイヤー駅伝で初優勝したGMOインターネットグループで世界を目指す黒田朝日、名門の旭化成でマラソンで勝負する塩出翔太ら競技を続行する選手がいる一方で、卒業を区切りに競技の第一線を退く選手もいる。次のそれぞれステージに羽ばたく前に、旅先で「輝いた」4年間を語らう。

 ◇2015年以降の箱根駅伝成績と原監督による卒業旅行プレゼントと大作戦(カッコ内は主な4年生)

 ▽15年 優勝 なし(まだ原監督の収入が多くなかったため) ワクワク大作戦(藤川拓也、高橋宗司)

 ▽16年 優勝 静岡・熱海 ハッピー大作戦(神野大地、久保田和真)

 ▽17年 優勝 ハワイ サンキュー大作戦(安藤悠哉、一色恭志)

 ▽18年 優勝 ハワイ ハーモニー大作戦(下田裕太、田村和希)

 ▽19年 2位 グアム ゴーゴー大作戦(森田歩希、小野田勇次)

 ▽20年 優勝 ハワイ やっぱり大作戦(鈴木塁人、吉田祐也)

 ▽21年 4位 なし(コロナ禍のため) 絆大作戦(神林勇太、吉田圭太)

 ▽22年 優勝 群馬・草津 パワフル大作戦(飯田貴之、高橋勇輝)

 ▽23年 3位 沖縄 ピース大作戦(岸本大紀、近藤幸太郎)

 ▽24年 優勝 ハワイ 負けてたまるか!大作戦(佐藤一世、倉本玄太)

 ▽25年 優勝 グアム あいたいね大作戦(田中悠登、太田蒼生)

 ▽26年 優勝 検討中 輝け大作戦(黒田朝日、塩出翔太)

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