日本ハム・伊藤大海投手(28)が9日、超省エネ調整の“秘策”を披露した。

 白い息を吐きながら、伊藤は一球一球、丁寧に腕を振った。

エスコンで自主トレを公開。WBC球を使い20メートルほどの距離でキャッチボールを約20球、軽めのランニングを終えると充実した表情で練習を切り上げた。すでに3月開催のWBC侍ジャパン選出が発表された25年の沢村賞右腕だが、同27日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)での開幕投手が内定している。「誰かがWBCだから早く作んなきゃって言ったのが悪い(笑)。いつも通り過ごせば3月に投げられる状態にはある。本来はそんな無理しなくていい時期なので、誰かが作った常識をぶっ壊していきたい」。超省エネ調整で、万全の状態に仕上げる考えを明かした。

 昨季の春季キャンプでは「必要最低限」と、計4回のブルペンで球数はわずか110球。一球一球の質や完成度を高め球数を極限まで少なくし、体への負担を軽減。結果的に両リーグ最多の196回2/3をマークした。参考にしているのが、投球フォームの連続写真。「このフェーズだったらここを鍛えてみたいな感じで、細かく分けていって、極論ボールを投げなくても(実際に)投げているみたいな状態を作っていくのが一番」と、フォームを細分化し、感覚を研ぎ澄ましている。

 23年のWBCでは中継ぎとして3試合無失点。世界一に貢献したが、シーズン序盤に出遅れ7勝止まりだった。「前回は(調整を)変えてしまった。そこを変えなくていいように、『このトレーニングができていたらゲームは大丈夫』っていうのを確認しながら」と、周りに流されず自身のペースを厳守する。

 目指すはWBC連覇と10年ぶりのリーグ優勝、日本一。「WBCもものすごく大事ですけど、ファイターズとして優勝しかない」。ぶれない北の大エースが自身の結果で新たな常識を作る。(川上 晴輝)

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