高市早苗首相が、1月23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散し、2月総選挙に踏み切る可能性が高まっている。ある与党関係者は実施の可能性を「70~80%」と予測。

総務省は、10日付で全国の自治体選管に対し、最速で「1月27日公示―2月8日投開票」、実務的に余地のある「2月15日投開票」を想定した準備要請を通達した。

 急転直下の解散風、その深層には政権を直撃しつつある「政治とカネ」の問題がある。首相周辺の不透明な政治資金や、長島昭久氏の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題などを巡り、野党は予算委員会で追及する構えだった。首相サイドには、国会論戦で防戦一方となる事態を回避し、支持率低下の前に選挙での「信任」により、疑惑を上書きする狙いも透けて見える。

 解散決断の中枢は高市首相と木原稔官房長官らのラインに限られていたとみられ、党幹部や首相秘書官すら蚊帳の外に置かれていた。昨年末に流布された「6月解散説」は、野党や公明党の選挙準備を遅らせるための陽動だった可能性が高い。

 だが、この「奇襲」は諸刃の剣だ。自民党選対は公約やポスター制作などの実務に未着手で、接戦区の情勢調査も不十分なままだ。物価高対策や公債発行特例法など重要法案の成立を後回しにし、施政方針演説も行わずに信を問う手法は、「疑惑隠し」との批判を免れない。高市首相は来週のイタリアのメローニ首相の訪日外交終了後にも意向を表明する可能性はあるが、党利党略の色濃い強行突破は、政権にとって大きな賭けとなる。

編集部おすすめ