◆ラグビー 全国大学選手権決勝 明大22―10早大(11日、MUFG国立)

 明大(対抗戦1位)が早大(同3位)を22―10で下し、2018年度以来7大会ぶり14度目の大学日本一に輝いた。明大は数的有利となっていた前半33分、ゴール前ラインアウトを起点にSO伊藤龍之介(3年)が防御網のギャップを突いてトライ。

14―3とリードを広げ、流れを引き寄せた。早大は日本代表FB矢崎由高(3年)が同28分に10分間の一時的退場となるなど主導権を握れず、6大会ぶりの優勝を逃した。

 3年生司令塔の明大・伊藤が躍動した。7―3の前半33分、敵陣22メートル内でボールを持つと整っていない早大守備網へと突進。華麗なステップですり抜け、トライした。相手を突き放す貴重な追加点で、7大会ぶりのVに貢献し「実感がまだないけど、すごく気持ちがいい。やってきたことが報われるって、こういうことなんだな」と喜びに浸った。

 3年生ながら、神鳥監督が「チームリーダーが平(主将)なら、ゲームリーダーは伊藤」と全幅の信頼を置く存在だ。ミーティングでも積極的に発言しチームのまとめ役にもなる。「(平)翔太さんはプレーで見せてくれる。だけど、しゃべるのはそれほど得意ではないので、試合の持っていき方やプランは、僕中心に説明している」と伊藤。グラウンド上でタクトを振る10番に、指揮官は「彼は、替えのきかない選手。

これからの成長が楽しみ」と最大限の賛辞を送る。

 一昨年から、日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(65、HC)が主導する育成プログラム「タレント・スコッド」にも参加。ジョーンズHCも「いい10番がいる」と楽しみにする21歳だ。プログラムでは「一回のミスで(精神的に)落ちる必要はない。いろいろ(武器を)持っておいた方がいい」と助言をもらった。これまで得意としていたランに加え、3次攻撃で前へ進めなかったらキックを使うなど、パスも含めて成長してきた。

 明大は来季、V2がかかる。ハイボール確保で出色の出来を見せた2年生のWTB白井瑛人ら下級生も心強い。「2連覇というのは難しくなると思うけど、そこに向けてまた一から、頑張れればいいかなと」と伊藤。取り戻した伝統校のプライドを継承していく。(大谷 翔太)

 ◆伊藤 龍之介(いとう・りゅうのすけ)2004年11月20日生まれ。神奈川県出身。

21歳。3歳でラグビーを始め、リーグワン1部のBR東京に在籍する3歳上の兄・耕太郎と同じ藤沢ラグビースクールと国学院栃木高に進む。花園は3年連続出場し、2年時は10番で栃木県勢初の決勝進出。23年に明大に入学し、2年時に20歳以下の日本代表に選出。ポジションはSO、CTB。170センチ、79キロ。

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