◆第60回シンザン記念・G3(1月12日、京都競馬場・芝1600メートル、良)

 飛躍を期す3歳馬が争った第60回シンザン記念・G3は12日、京都競馬場の芝1600メートルで行われ、サンダーストラックに騎乗したトール・ハマーハンセン騎手(26)=ドイツ=が、JRA重賞初制覇を飾った。昨年まで2年連続でドイツリーディングに輝いた名手は道中、直線ともにさすがの手綱で、9番人気の伏兵を初タイトルに導いた。

 見ている者を熱くさせる、こん身の手綱さばきだった。直線残り200メートル、ハマーハンセンは左ステッキを一発。そこからややふらつきながらも歯を食いしばって走るサンダーストラックを、右ムチにすぐさま持ち替えて鼓舞した。ゴール前は外から伸びてくる2着馬の方に切れ込みながら、無我夢中で追った。首差で振り切り、JRA重賞初勝利を決めた瞬間、鞍上は左手を空高く突き上げた。

 今年の1月から初の短期免許を取得し、JRAに参戦しているハマーハンセン。「初めて日本の大きなレース(重賞)を勝つことができ、うれしい気持ちでいっぱいです」と9番人気の伏兵での勝利に、さわやかな笑みを浮かべた。

 2勝馬は1頭だけの大混戦。それだけに、騎手の腕がものを言うレースとなった。9月に新馬を勝った後、黄菊賞は5着で、今回初めてブリンカーを装着したパートナーを、先行勢を壁にしてぴったりと折り合った。「前半は行きたがるところがあったので、馬の気持ちとリズムを大事に乗りました」。4角までラチ沿いを回り、距離ロスを最小限に抑えるクレバーな騎乗。

それが最後に首差で押し切った大きな要因だろう。「とても能力の高い馬で、この先も期待できます」とサンダーストラックの未来を約束した。

 昨年のワールドオールスタージョッキーズで初来日。4戦中2勝で総合優勝を果たし、腕達者なのは周知の事実だ。ドイツでは23年はシーズン16勝止まりだったが、24年にはドイツダービーを含む74勝、25年も86勝と2年連続でリーディングを獲得。これからも国内外の大レースで活躍することは間違いない。日本が誇る3冠馬、シンザンの名を冠するレースに、若武者ハマーハンセンの名前がしっかりと刻まれた。(山下 優)

 ◆トール・ハマーハンセン(Thore Hammer Hansen)1999年10月17日、ドイツ生まれ。26歳。騎手をしていた父に憧れ、16年にドイツで騎手免許を取得。17年には英国の騎手免許も取得した。フランスのアンドレ・ファーブル厩舎、イギリスのリチャード・ハノン厩舎を経て、23年に母国ドイツに本拠地を移す。

24年のドイツダービーをパラディウムで制した。

 サンダーストラック 父ロードカナロア、母シーブルック(父ヒンチンブルック)。美浦・木村哲也厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算3戦2勝。総獲得賞金は5018万4000円。重賞初勝利。馬主は(有)キャロットファーム。

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