「大学駅伝監督にかけた思い。監督になるために覚悟を持った。

箱根駅伝に出場するために趣味を捨てた。箱根駅伝シード権獲得のためクリスマスや正月イベントを捨てた。優勝すれば全てが報われる」

 この言葉を信条とする原晋監督(58)は、2004年に青学大の監督に就任後、中国電力サラリーマン時代の趣味だったゴルフを封印した。

 2009年に青学大を33年ぶりに箱根駅伝復活出場に導き、2015年に初優勝。その後、4連覇を果たし、常に優勝争いに加わる強豪校に育て上げた。

 2年ぶり5度目の箱根駅伝を果たした2020年にゴルフを再開。現在では、オフの日には積極的に練習やラウンドに励んでいる。

 今年1月2、3日の第102回箱根駅伝で往・復路、総合のトリプル新記録で史上初の同一チーム2度目の3連覇(計9度目)を果たした。初優勝から12年で9度の優勝。原監督も9度目の優勝で、大会公式記録に「監督」が明記された1964年の第40回大会以降では、日体大の岡野章監督を抜き、最多となった。

 箱根駅伝史に残る快挙を達成した後、2026年の初ラウンドを東京・八王子市内のコースで回り、87(前半45、後半42)のベストスコアをマークした。中国電力サラリーマン時代の2001年にマークした90の自己ベストを25年ぶりに3打も更新。

数人の関係者が参加した大会で優勝した。

 後半14ホール目の5番パー5(497ヤード)では残り約50ヤードの第4打を52度のウェッジで直接、カップに放り込み、劇的なバーディーを奪った。

 「往路(前半)で良い流れをつくり、復路(後半)で大逆転しました! 黒田朝日のアルバトロス級の5区区間新記録には及びませんが、ドラマチックなバーディーを取りました」。箱根駅伝では逃げ切り優勝を得意とする青学大の勝ちパターンとは逆のスタイルで、優勝カップを手にして、満面の笑みを見せた。

 原監督のゴルフは、接待ゴルフのような緩さはない。OKパットなしの完全ホールアウト。もちろん、ノータッチだ。「50センチのパットも入らないことがある。だから、面白い」。勝負師らしく、ゴルフを真剣に楽しんでいる。

 実に四半世紀ぶりのベストスコア更新は、58歳のアマチュアゴルファーにとって快挙と言える。ゴルフを真剣に楽しむからこそ、学びや気づきがあるという。

「駅伝とゴルフは共通する点が多い。1区間、あるいは1ホールでもブレーキすると、すべてが台無しになる。タイムとスコアは、減らすことは難しいけど、増える時は際限なく増える。そして、流れが大事。マネジメントが重要です」と語る。

 原監督にとってゴルフは絶好のリフレッシュであり、同時に本業にも生かしている。(箱根駅伝担当・竹内 達朗)

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