俳優の上川隆也が、主演舞台「忠臣蔵」大阪公演(24~27日、梅田芸術劇場)に向けて、スポーツ報知のインタビューに応じた。主人公の大石内蔵助役。

「老若男女を問わず共感していただけるものだと思う」と、手応えを感じている。芸歴が35年を超えてなお映像や舞台の第一線で活躍中。その原動力についても明かした。(古田 尚)

 大石を演じる上川は、忠臣蔵の魅力を改めて熱く語った。「当時の社会情勢では到底覆すことなど考えられない境遇を、ブレイクスルーしてみせたその者たちに対する胸のすく思いというのは、間違いなくそこにあって」と説明。「その物語は老若男女を問わず共感していただけるものだと思うんです」と力を込めた。

 過去にテレビドラマで浅野内匠頭と寺坂吉右衛門を演じたことがある。「どちらも最後までを見届けられない人物だったので、今回はことの顛末(てんまつ)を見届けたいと思っています」と穏やかにほほ笑んだ。

 内蔵助の魅力的な部分には人間性を挙げた。本来なら浅野内匠頭が切腹を命じられた時点で吉良邸に討ち入れば、起爆剤として自分以外の人を動かすにしてもたやすかった時期と想像。その上で「彼はそれをしなかった。1年10か月の時を経て、本当の意味でこの思いに賛同、共感してくれる者たちをえりすぐって。

そうした深謀遠慮というんでしょうかね。激しい思いの中に、そうしたコントラストを紡ぎ出してみせるだけの手札、人間性が彼には間違いなくあるでしょうし、そこにみんな手に汗握る思いをしておられたのではないでしょうか」と思いをはせた。

 芸歴は35年を超えた。長い役者人生で、変わっていない部分もある。「いまだに『お芝居って面白いな』という思いですね。携わる作品一つひとつが、僕にとっては毎回新たな遊具のような、それこそ全身をもって遊び尽くせる何より楽しい遊具だというふうに感じています」。もちろん体力的なものが20代、30代の頃と全く同じとは言えない状況も理解している。「そこに憂いを持ってもしょうがない。むしろじゃあ、今何ができて、どんな楽しみ方が見いだせるのかこそ、一つひとつの作品の中から見つけ出すことが楽しい。その楽しいが、まだ続いていることが幸いだなというふうに思います」とかみ締めるように明かした。

 大阪での上演は大好きだという。「こちらが恐れ入るほどに観劇がお上手なんですよ。

これはもう最初に来訪した時に感じたそのままの印象がいまだに続いているんですが、我々が意図していなかったところに面白さやうま味を見いだして、目の前の物語を本当に楽しみ尽くしてくださる」と感謝。それだけに演じがいもあるようで「僕らもそれにあおられるかのように、東京で披露した物語や演技とはまた違ったアプローチができることもあって。大阪でお芝居することは僕は個人的にとても好きです」とにこやかに話した。

 いよいよ始まる大阪公演。「まっとうにこの物語に携わりながら、それでもこれまでにない観点を盛り込んでお届けする忠臣蔵になると思います。ご存じの方も今回初めてこの物語に触れる方々も楽しんでいただけるような、そんな物語をお届けしたいと思っておりますので、ぜひ劇場まで足をお運びいただければと思います」と呼びかけた。

 ◆上川 隆也(かみかわ・たかや)5月7日、東京都生まれ。中大在学中の89年に演劇集団キャラメルボックス入団。95年、NHKドラマ「大地の子」で主演。96年連続テレビ小説「ひまわり」に出演。2006年、大河ドラマ「功名が辻」では仲間由紀恵とダブル主演。09年、元舞台女優と結婚。

舞台、ドラマなど様々な分野で活躍中。

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