横綱・大の里(25)=二所ノ関=が小結・若元春(32)=荒汐=に力なく寄り切られ、2連敗で3敗に後退した。昨年11月の九州場所の千秋楽を休場する要因となった左肩のけがが深刻で、途中休場も考えられる状況となった。

横綱・豊昇龍(26)=立浪=にも土がつき、複数横綱の2日連続の黒星は終盤の大関戦を除けば、1998年春場所初日、2日目の曙と貴乃花以来の波乱となった。

 手負いの横綱、大の里が窮地に追い詰められた。もろ手突きの立ち合いは中途半端となり、若元春に十分の左四つを許し何もできずに土俵を割った。8日目に悪化した左肩のけががいよいよ深刻となってきた。取組後の土俵下で豊昇龍の結びの一番をぼう然と見つめた。大の里は「もう一回、しっかりと体と気持ちをつくって、6日間を取り切るしかない」と語り、10日目以降の休場を強く否定した。

 2人以上の横綱が(終盤の大関戦を除き)連敗するのは98年春場所初日、2日目の貴乃花、曙以来。八角理事長(元横綱・北勝海)は「2人とも反省じゃないか」と苦言を呈し、大の里には「相撲がばらばらになってきた。歯車がかみ合っていない。本人が一番『何でだ』と思っているだろう」と首を横に振った。

 師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「今日の相撲も昨日の相撲もいただけない。ただ弱いだけ」と厳しく言い放ったが、2場所連続休場の危機と言える状況だ。

左肩は昨年11月の九州場所13日目の安青錦戦で負傷。14日目は琴桜に力なく敗れると、優勝が懸かる千秋楽を左肩鎖関節脱臼の診断書を出して休場。今場所も前日の伯乃富士戦で一気に押し出された後に左肩をしきりに気にした。状況は先場所と同じで、休場か連敗覚悟で強行出場するのか選択を迫られている。

 先場所の千秋楽は朝まで悩んだ末に休場を決断した。昨年は3度の優勝や横綱昇進を決めた最高の一年だったが、「最後休場してしまった。あんなことは二度とないようにしたい」と反省。冬巡業を休場した12月は自分の取組の映像を見て改善点を探った。上半身が動かせない分、下半身を鍛えた。「こんなに相撲に向き合う時間はなかった」とできる限り追い込んだ。

 この日の取組後、けがの状態を聞かれると大の里は「ここまできたら気持ちをしっかり作ってやるだけ」と答えた。二所ノ関親方も「本人に聞いてみる」と話すにとどめた。

場所前に「初場所で結果を出して26年をいい形で始めたい」と再起を誓っていた大の里。難しい状況に立たされた。(山田 豊)

 ◆複数横綱の連敗 直近は14年春場所13、14日目。白鵬が大関・琴奨菊、大関・鶴竜に、日馬富士が関脇・豪栄道、大関・琴奨菊に敗れた。終盤の大関戦を除けば98年春場所で曙が小結・魁皇、平幕・貴闘力に、貴乃花が平幕・千代大海、小結・魁皇に黒星を喫した。

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