◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 日々の取材のなかで「代表撮影」となる場合がある。場所が限られていたり、大勢で撮影できない場合に新聞各社を代表して取材し、各社に写真を提供することを意味する。

数年に一度まわってくるスポーツ紙幹事社が代表撮影を1年間担うことになる。とても責任重大な役割といえる。

 昨年11月10日に高知市内で行われた「高知県阪神優勝記念パレード」で、藤川球児監督らが乗る2階建てバスに同乗した。代表撮影だ。四国IL高知出身で、NPB新記録の50試合連続無失点を樹立した石井大智と指揮官のツーショットを撮影したかった。しかし、2人はバスの先頭で離れた位置に配置されていた。代表で入っているのだからと意気込んでいたものの、なかなか声をかけるチャンスがなかった。

 パレードが進んでいき、藤川監督のそばにはドリスがいた。「監督、ドリスと写真をお願いします」と言ったつもりだったが、普段から早口の私の滑舌が悪かったせいか、藤川監督は「(石井)ダイチ、カメラマンが一緒に撮りたいらしいからこっちに来なさい」と背番号69を手招き。まさかの「ドリス」と「ダイチ」を聞き間違えてくれた。チャンス到来。ここしかないと思い16ミリの広角レンズを付けて、夢中でシャッターを切った。

2人のとびきりの笑顔が撮れた。

 無事に代表撮影を終えてほっとしたと同時に達成感もあった。任せてもらえたこともうれしかった。ただ、初めて自分の滑舌が悪くて良かったなと思えたことはココだけの話だ。(写真担当・岩田 大補)

 ◆岩田 大輔(いわた だいすけ 夕刊スポーツ紙で14年間の勤務を経て2022年に入社。第5回WBCやパリ五輪を取材。

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