巨人・山崎伊織投手(27)が21日、ボリュームアップさせた体を武器に自身初となる開幕投手へ照準を合わせた。G球場で自主トレを公開し「そこ(開幕)に合わせる」と宣言。

今オフは新たに肉体改造に着手し、年間フル回転する土台づくりに手応えをにじませる。「15勝」を目標とする戸郷と共に、球団では89年の斎藤雅樹(20勝)、桑田真澄(17勝)以来となる日本人15勝コンビも目指していく。

 増した力を正確に、右の指先へと伝達した。山崎が角度をつけて投げ込んだ球は、低く伸び上がるように加速した。昨年11月下旬、阿部監督から開幕投手の筆頭候補に指名されていた右腕。「いけるようには準備していこうと思っている。1年の始まりですごい大事な試合。自分はしっかりそこに合わせます」と3月27日の開幕・阪神戦(東京D)に焦点を合わせた。

 進化を予感させるニューボディーで登場した。今オフのテーマはフィジカル向上、体を意図通り動かす操作性獲得の2点。課題の球速アップ、シーズン終盤も失速しないスタミナを会得する狙いで「まずはパワーをつける。それを投げる技術に変えていく。

スピード、コントロール、体力。全てにおいてもう2段階レベルアップ」と汗を流した。

 3年連続2ケタ勝利した昨季は自己最多11勝で貯金7、チーム唯一の規定投球回(156回1/3)で防御率2・07。先発不足に苦しむチームの光だったが「全部が平均点、一緒ぐらいで突出したものがない」と厳しく自己採点した。考えたのが181センチ、81キロからの肉体改造。最近は風呂場の鏡に映る体を見て「ほんまにデカくなってると思う」と確かな成長を感じている。

 昨年11月中旬からボリュームアップに着手し、既に筋肉量だけで1・5キロ以上増えた。自主トレ期間は「伊織組」の赤星、西舘を引っ張りながら午前中は走り込みと技術練習、午後は約1時間半かけてウェートトレを行う。1年前と比べスクワットなどは40キロ増の140キロを上げられるようになり、メニュー作成担当の神田トレーナーも「かなり頑張ってくれている。特に上半身はボリュームが出て大きくなった」と元々細身な男の努力の跡を証言する。

 昨年は3位。孤軍奮闘ではペナントを制すことができなかった。

V奪回のカギは2枚看板が握る。昨季開幕投手で8勝9敗に終わった戸郷は逆襲を誓い、今季の目標を15勝としている。「(これまでは)菅野さんと戸郷がやってくれていた。戸郷は毎年1人で投げて大変だと思う。皆で頑張れるように」と背番号19は共闘に燃える。ウィットリー、ハワード、則本ら先発候補が続々加入するが、若き両右腕の働きなくして阿部巨人の浮上はない。「ピッチャーでまず引っ張って、リーグ優勝・日本一。誰が見ても強いなと思われるチームになっていきたい」。開幕戦を託されれば6年目で自身初。大役にふさわしい風格も帯びてきた。何より肉体の変化に自覚が表れている。(堀内 啓太)

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