卓球◇全日本選手権 第3日(22日、東京体育館)

 女子シングルスで2017年大会に史上最年少16歳で優勝した平野美宇(木下グループ)が、スーパーシード選手として初戦の4回戦に登場し、ノジマTリーグの神奈川でチームメートの岡田琴菜(十六フィナンシャルグループ)にゲームカウント4―2で粘り勝った。勝利の瞬間は、客席のファンの大きな拍手に包まれ、振り向くと安堵(あんど)の笑みがこぼれた。

 25歳の実力者は「相手はTリーグで同じチームなので、毎日一緒に練習している。お互いに慣れているし、厳しい試合になると思っていた。(岡田以外は)“平野美宇”というゼッケンで2点ぐらい取れることもあるんですけど…岡田選手は毎日サーブも一緒にやっているし、伸びるサーブも(対応された)。気持ちで最後勝利につながって良かったです」と冷や汗をぬぐった。

 24の卓球台が並ぶ独特な雰囲気なのが、全日本だ。21年東京、24年パリ五輪団体銀メダリストは何度も経験しているが、開幕前は極度の緊張に襲われていた。そこで指導を受けてきた張成氏に連絡し「緊張するわ」とこぼすと「もうすぐママになってもおかしくない年齢で、それなのに緊張しているの? 」と言われた。4月で26歳。周囲を見ると、同学年は母になっている人もおり、はっとした。

 接戦となったゲームカウント2―2の第5ゲームで、ここまで緊張してミスが続いていた平野は、我に返った。張さんの言葉もあって「オリンピックに2回も出ているのに何で緊張しとるんや? と途中で気づいたんです」と自らを鼓舞。すると一気に体が軽くなり、「そこから良くなった」とカウント0―2から逆転してこのゲームを奪った。

第6ゲームも接戦で取って、5回戦進出を決めた。

 17年大会決勝で3連覇していた石川佳純を破って同種目の大会史上最年少16歳で初優勝した。快挙から9年。2度目の頂点への思いを秘める中だが、日本女子は年々、ハイレベルになっている。「当時は本当に石川さんに勝ちたいという感じだったんです。でも今はレベルが高くて、どの選手も優勝候補みたいなレベルの高さ。もちろん(優勝)できたらうれしいけど、まずは超級(リーグ)で学んだことを生かしていければいいかな」。5回戦は面田采巳(愛知工大)と対戦。粘り強く戦い抜く。

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