アメリカの年度代表表彰、エクリプス賞の授賞式が1月22日(日本時間同23日)、フロリダ州の「ザ・ブレイカーズ・パームビーチ」で行われ、最優秀ダート古牡馬にBCクラシックを勝ったフォーエバーヤング(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎、父リアルスティール、以下馬齢は25年のもの)が選ばれた。ヤマタケこと、山本武志記者が偉業の背景に「見た」で迫った。

 自ら切り開いた道だった。だからこそ、忘れられない馬がいる。フォーエバーヤングがJRA賞年度代表馬に決まった後。矢作調教師はポツリとつぶやいた。「マルシュロレーヌも何か賞があってもよかったのにな…」。

 21年のBCディスタフで日本馬初の米ダートG1制覇という偉業を成し遂げた名牝。しかし、同年のJRA賞では部門賞にも特別賞にも選ばれなかった。無念の思いは、今も胸の中にある。

 日本馬はマルシュロレーヌ以降の22年からBCのダート戦に21頭も出走。ケンタッキーダービーにも22年から4年連続で参戦中だ。難攻不落の壁を打ち崩した11頭立て9番人気の激走は日本競馬の“潮目”を変えた。

 「マルシュロレーヌの功績は大きいよ。

あの勝利で日本のホースマンの考え方が変わったんじゃないか。一つの成功例ができたのは大きいと思う」。今回はフォーエバーヤングが自ら手がけたリアルスティールの産駒で、馬上には手塩にかけて育ててきた坂井。日本競馬史に残る大偉業は最高の“伏線回収”だった。

 矢作師にとって、ラヴズオンリーユーでフィリー&メアターフも制した21年がBCへの初挑戦。直前に参戦の理由を聞くと即座に返された。「今まで日本の馬が一度も勝っていないからな」。成功例がないからこそ、闘争心をたぎらせる。生粋のホースマンが今、目標として名前を挙げるレースはケンタッキーダービーと凱旋門賞。いずれも日本競馬にとっては未踏の領域だ。世界のYAHAGIの挑戦はまだまだ続く。(山本 武志)

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