◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 笑顔の花が咲き乱れていた。昨年12月18日。

巨人・門脇誠内野手らが「津堅(つけん)島プロジェクト」で沖縄・津堅島を訪れた。津堅小中学校での自主トレ後には同校の生徒と交流。生徒が獅子舞を披露し、選手も充実のトークを展開した。G党の島民からは手作りのサーターアンダギーの差し入れもあった。門脇が「心が洗われた」と振り返る温かな時間が流れた。

 希望や夢を背負って戦うプロ選手が与える影響力は大きい。だからこそ、できることがある。島は本島中部勝連半島から約4キロの位置にあり、人口や観光客の減少などの課題を抱える。本島のうるま市内で自主トレを行うことを機に計画された同プロジェクトは、選手の訪問によって島の活性化や新たな人の流れを作るのが目的だ。

 交流を通した思い出ややりとりは、島民や子供たちの記憶に必ず残る。今後訪れる野球ファンにとってシンボルとなるモニュメントも設置された。地域振興に向けた多くの“糸口”が生まれ、未来への一歩となったに違いない。

門脇も「まず一人の人として、皆さんと出会えただけで素晴らしい。加えてプロ野球選手ということでより多くの人に広まれば」と意義を語る。

 運営関係者は口をそろえる。「今回だけで終わらせてはいけない」。継続的な活動が意味を持つ。巨人では阿部監督が伊江島の野球振興に携わり、球場新設などに発展した例もある。「活躍することがそこへの道。まず試合に出続ける」と門脇も思い描いている。プロ選手が持つ無形の力を再認識する機会だった。(楽天担当・宮内 孝太)

 ◆宮内 孝太(みやうち・こうた)22年入社。23~25年、巨人担当。

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