お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹が27日、都内で約6年ぶりの長編小説「生きとるわ」(文藝春秋)の発売前日記者会見を行った。

 「火花」で芥川賞を受賞してから約10年。

自身過去最長だという2年の月日をかけて執筆した新著に、又吉は「時間をかけて書いてきたこともありますし、すごく自分の中で重要な作品が書けたなと思ってます」としみじみ。笑いの要素も含まれていることから「自分がやってきたお笑いの活動と文筆業が初めて合わさってできた作品かなと思っています」と満足げな表情を見せた。

 発売前日の心境を問われると「どんな風に読んでいただけるのかなという緊張感もある。買ってくれるのかなという不安もある」と告白。一方で「良いものができたと思ってるので楽しみな部分もあります」とうなずいた。

 今作は大阪を舞台に、公認会計士が高校時代の仲間に500万円を貸して人生を狂わせる物語。自身初めて大阪を舞台にしたことについて「18歳のときに高校を卒業して、上京して東京で暮らしてきた。(今までは)見てきた風景とか環境が書きやすかったこともあって東京を舞台にして、なおかつ上京してきた人を書いてきたんですけど、大阪に帰る機会が増えてきて子どもの頃に感じていた大阪(の印象)が変わった。より好きになっていく体感があって、この街を舞台に書いてみたいなと思いました」と明かした。

 上京から25年以上たっていることから「大阪に取材に行って酒場とかで会話を聞いてリズムみたいなのを吸収しようと思って書いた」と説明。「大阪を舞台に書いた空気感を感じてもらいたいです」と呼び掛けた。

 さらに、借金の要素を含めたことについては「お金が絡んだ瞬間に自我が崩壊したかのようにみっともなくなってしまうところに人間味を感じることがある」と吐露。

「お金を絡めて書いたらどうなるんだろうと思ったのがきっかけです」と話していた。

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