東京映画記者会(スポーツ報知など在京スポーツ紙7社で構成)が選ぶ「第68回(2025年度)ブルーリボン賞」が27日、決まった。「TOKYOタクシー」の山田洋次監督は48年ぶり3度目の監督賞を獲得。

授賞式は2月17日に都内で開催される。

 1977年度「幸福の黄色いハンカチ」(高倉健主演)以来、48年ぶり3度目の受賞。94歳は最高齢だ。「晴れがましい。恥ずかしいな」インタビューは先に写真撮影から始まった。山田監督は照れくさそうに目尻を下げた。

 興収16億円を突破した受賞作「TOKYOタクシー」は仏映画「パリタクシー」を原作に、山田組に不可欠な倍賞千恵子(84)と「武士の一分」(06年)以来の木村拓哉(53)が共演。波乱の過去を持った老婦人とその女性を乗せるタクシー運転手との心の動きを細やかに描いた。山田作品特有の温かみを残した。

 倍賞を「年を重ねても声は全く変わらないんだよ」。木村には「自分の撮影が終っても最後まで残る。自身を律する姿に感心した」。

2人に全幅の信頼を寄せる。しかし、監督を要に3人が互いを深くリスペクトする中で生まれた。

 ブルーリボンはスポーツ新聞の映画記者が選ぶ賞だ。「それがうれしい。まだ僕を評価してくれてるんだな。いまも評価してくれているんだな、と思わせてくれた」。作品賞「国宝」には「あの映画はどれだけほめてもほめ足りない」とたたえた。

 一方で邦画界はアニメが目立つ。「男はつらいよ」シリーズを始め、数々の名作を生んだ名匠は険しい目付きで悔しさをにじませる。「この状態はまずい。こんなことでいいのか。諦めていいのか。

楽しく笑える喜劇をつくりたいんだ」。取材の最初と最後では、別人のような目の表情の変化だった。(内野 小百美)

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