最速153キロを誇る楽天のドラフト6位ルーキー・九谷瑠(くたに・りゅう)投手(26)=王子=が28日、仙台市内の楽天モバイル最強パーク宮城の室内で行われた新人合同自主トレで今年4度目のブルペン入り。昨年の都市対抗野球大会で王子を頂点に導き、MVPにあたる橋戸賞を受賞した右腕は、自身を育ててくれた名古屋のみそカツ専門店「矢場とん」への恩返しと球場グルメ化を目標に掲げた。

 ワインドアップから力強いボールを放っていった。1球1球、魂を込めて九谷は右腕を振った。カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットも交え、充実の21球。1軍スタートが決まったキャンプインを前に、心身を整えた。

 「不安も多いんですけど、いよいよだなというのは感じています。チームのメニューにプラスで、自分のやりたい時間もつくってくださっているので、うまいことできていると思います」

 苦労人だ。滋賀の県立高・堅田から大阪大谷大を経て、野球部を有する「矢場とん」に入社。午前中は練習し、午後からは店のホールスタッフとして勤務した。才能は開花し、球速は150キロに達した。25年からは社会人野球の王子に移籍。都市対抗で活躍し、ドラフト指名を勝ち取るシンデレラストーリーを現実にした。

 矢場とんのみそカツの魅力に「名古屋名物で、みそカツは結構ドロドロしたイメージがあると思うんですけど、矢場とんはあっさりしていて食べやすいので、東北の方もぜひ1度行ってもらいたいと思います」とアピール。

楽天では一流選手になれば、自らの名を冠した球場グルメでファンの胃袋を満たすことも可能だが「選手グルメを作って頂けるように、活躍したいなと思います」と瞳を輝かせた。

 濃い人生経験を積んで、つかんだプロの夢舞台。即戦力としての期待は大きい。「けがなくアピールしていきたいと思います」と九谷。初心を忘れることなく、杜の都で投げ抜く。(加藤 弘士)

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