「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物を使用した疑いで27日に逮捕された羽月隆太郎容疑者(25)の関係先から薬物と摂取用とみられる器具が押収されたことが28日、分かった。警察は常習性の有無についても調べを進めている。

広島・鈴木清明球団本部長はマツダスタジアム内で取材に応じ、当面は「野球活動停止」処分にすると明言。「本人は(容疑を)否定しているかもしれないが、逮捕という事実がある」と説明した。今後は捜査の進展を踏まえ、また選手会とも協議した上で、契約解除も視野に判断する方針だ。

 県警によると羽月容疑者は25年12月16日、広島県内で任意同行して尿検査をすると、指定薬物「エトミデート」の陽性反応が出た。球団に羽月から任意同行を受けた旨の報告はなく「(逮捕も)昨日(27日)知りました」と困惑。この日、羽月のグッズは全て販売停止。JR広島駅南口とマツダスタジアムの間にある約500メートルの歩行者専用道「カープロード」にあった羽月の看板も取り外された。

 球団はマツダと廿日市市の大野練習場で合同自主トレに参加していた選手に注意喚起。2月1日の春季キャンプ初日にも再度、注意を促す。今後、他の選手を対象に個別のヒアリングを行うかは未定。「心配事がある人は相談してと伝えている」と鈴木本部長。これまでも球団独自で違法薬物を対象に講習を行っていたが、再発防止策を練る。

 松田オーナーは「びっくりした。ファンの方々に申し訳ない」と謝罪。新井監督は球団を通じ、「チームの一員として自覚を欠いた行動であり、非常に残念な気持ちです」とコメントした。球団は「捜査機関に全面的に協力してまいります」などと文書で発表した。

 エトミデートは「ゾンビたばこ」や「笑気麻酔」と呼ばれ、若年層を中心に広がっている。過剰摂取で手足がけいれん、意識を失ったりする場合がある。政府は取り締まりや予防啓発を強化する考えを示している。

◆エトミデートとは もともとは鎮静剤や麻酔導入薬などとして使用される、国内未承認の医薬品成分。本来の使用用途とは別に、電子たばこ向けに違法に使用されるケースが社会問題化し、昨年5月に厚生労働省が「指定薬物」として規制。使用すると手足がけいれんし、ゾンビのように見えることから「ゾンビたばこ」とも呼ばれる。

◆羽月 隆太郎(はつき・りゅうたろう)2000年4月19日、宮崎市生まれ。25歳。

鹿児島・神村学園高では2年夏に甲子園出場。18年のドラフト7位で広島入り。168センチ、73キロ。右投左打。通算277試合、打率2割4分3厘、1本塁打、34打点、51盗塁。今季年俸3100万円(推定)

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