スポーツ報知では連載企画「前進ルーキー11人」で巨人の新人全選手を紹介する。第9回はドラフト6位の藤井健翔内野手(18)=浦和学院=。

一度は野球を辞めることも考えていた「浦学のジャッジ」の異名を持つ男は、巨人の未来の4番を目標に掲げる。

 藤井の豪快なスイングに、見ていたファンからは「すげぇ~」と感嘆の声が漏れる。新人合同自主トレでは、サク越え連発。Gタウンの観客を驚かせた。

 小学校1年からソフトボールを始め「打てるキャッチャーってかっこいい!」と阿部監督に憧れて捕手になった。当時の夢は「キャッチャーでプロに行くこと」だった。大の巨人ファンだった父・伸さんは野球経験こそなかったが、息子が野球を始めるとルールブックを購入して一から勉強。スパルタ指導が始まった。「父からは『素振りはデザート』と言われてきた」と説明。一通りの練習をみっちり終えた後の“お楽しみ”としてバットを持った。「インフルエンザにかかった時も振ってました。周りがゆがんで見えていたんですけどね」。

多いときには500スイングをしたこともあった。力強さは父と行ってきた日々の積み重ねのたまものだった。

 「バッティングだけは誰にも負けない」と自信を持って浦和学院へ入学。2年の春に「より打撃に集中できるように」と捕手から内野手へ転向した。しかし、その2年春の県大会で自身のエラーでチームは敗れた。「3年生の春をつぶしてしまった。そこで1回自分の中で気持ちが途切れてしまった」。思いつめ、両親に「もう野球辞めたいな」とぽつり。すると「せっかくここまでやったんだから、やり切りなさい。もしダメだったら地元(岡山)に帰ってくればいい」と励まされ前を向いた。

 そこからしっかり気持ちを切り替えた。技術面はもちろん「応援される選手を目標に」と、自主的にトイレ掃除を行うなど、生活態度も見直した。

「挫折はあったけど、そこからやっぱりプロに行きたいという思いが強くなった。その思いがもう1回野球をやらせてくれた」。浦学のジャッジとの異名を持つ男はドラフト6位で憧れの巨人入りを決めた。

 いよいよ初めての春季キャンプ。2軍スタートだが、「1日でも早く戦力になって岡本選手のようにジャイアンツの4番、主軸を打てるようになることが一番の目標。そこからホームラン王やいろんなタイトルを狙いたい」。プロの舞台でも諦めることなく夢を追い求める。

(水上 智恵)

 ◆藤井 健翔(ふじい・けんしょう)2007年8月15日、岡山・倉敷市生まれ。18歳。小学1年でソフトボールを始め、中学ではヤングMAKIBIクラブで捕手。浦和学院では2年春にベンチ入り。昨夏の埼玉大会は4番・三塁で出場も3回戦敗退。

高校通算35本塁打。25年ドラフト6位で巨人入団。スイングスピードは160キロ超え。50メートル6秒5、遠投100メートル。181センチ、96キロ。右投右打。

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