◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 先日、ドジャース・山本由伸投手(27)から紹介してもらった飲食店を訪れた。料理の味はもちろん、店主と女将(おかみ)さんの温かな人柄が居心地の良さを引き立てる。

聞けば、山本は帰国後、たびたび顔を出し、大好きなイカ料理を楽しんでいるそうだ。「昨年の活躍は特にすごかったですね」。たわいもない会話に始まり、自然と人間性の話に及んだ。

 「彼は本当に変わらないですよ。ワールドシリーズのMVPにまでなって、あれだけ結果を出しているのに偉ぶらない。素直な子ですし、だから、いろんな人に愛されるんでしょうね」

 オリックス時代から長らく素顔を知る2人の言葉にうなずいた。本当にその通りだと思う。古巣の選手をはじめ、周囲の仲間も由伸のつかの間のオフの様子を連日のようにSNSで投稿している。それは右腕を祝福し、誇りに思う気持ちの表れに感じている。

 私は以前の職場で、オリックスの担当記者を1年だけ務めた。そのとき、由伸はルーキーだった。同期入団の年上投手をちゃかす光景は日常の一コマ。

生意気だけど、憎めない人懐っこさは天性のものだった。ただ、野球への情熱は本物。根っからの負けず嫌いで、芯の強さを備えていた。スターダムを駆け上がった2年目以降も折に触れて取材を続けてきたが、当時抱いた印象は変わらない。

 そんな素直さと初心を忘れない姿勢が、多くの人をひきつける理由だろう。3月にはWBC日本代表のエースとして凱旋する。18歳の頃と同じ屈託のない笑顔で、グラウンド内外にわたって野球ファンを引き続き魅了してくれるに違いない。(阪神担当・小松 真也)

 ◆小松 真也(こまつ・しんや) 2018年入社。記者歴16年。趣味は料理。

編集部おすすめ