◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 団体(7日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

 【ミラノ(イタリア)7日=大谷翔太】予選最終種目の男子ショートプログラム(SP)が行われ、2大会連続出場の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)は自己ベストに迫る108・67点で1位。唯一の大台超えで世界王者のイリア・マリニン(米国)に勝利した。

日本は合計33点、トップの米国に1点差の2位で決勝に進んだ。

 冒頭の4回転―3回転の連続トウループ、続く4回転サルコー、後半のトリプルアクセルを着氷。演技後は両手でガッツポーズを作った。「本当に最高という言葉しか出てこない。団体戦という貴重な舞台で先日アイスダンス、ペア、そして女子のショートプログラムが行われたが、本当にチームジャパンが素晴らしい形で終わったので、すごく力をもらえた。その力が今の僕に宿っていい形で出た」と振り返った。

 18歳で初出場だった2022年北京五輪は、団体銀、個人銀と2つのメダルを獲得した鍵山。前回の団体ではフリーに出場し、当時の歴代3位となる208・94点で1位と衝撃の五輪デビューを果たした。3種4本の4回転を決め、日本の銀メダル獲得に貢献。2度目の五輪も、男子のエースとして重役を果たした。

 この4年、北京五輪を共に戦った羽生結弦さん、宇野昌磨さんは競技から退いた。2人の偉大な背中を追っていた立場から、日本男子の「エース」という肩書きが時には重荷になった。

「エースとは…」と考え抜いた数年。「自分らしいエースの在り方を大事にしていきたい」と、背中で見せつつ、周りの選手も巻き込む理想像にたどり着いた。 シニアで2季負け無しの世界王者、イリア・マリニン(米国)の存在も立ちはだかった。ライバルはクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を含む6種の4回転を操り、異次元のプログラム構成をこなしている。昨季はマリニンを意識しすぎるあまり、ジャンプなどの技術点に思考が傾倒。鍵山本来のスケーティング技術、表現力さえ見失うほど重圧に追い込まれていた。

 今季は自分本来の強みを再確認し、五輪本番までは4回転をトウループ、サルコーの2種類にとどめプログラムの完成度を高めてきた。昨年12月の全日本選手権では2連覇を達成。真の男子のエースとして、2度目の五輪の舞台に立った。「4年前は先輩方の背中を見てオリンピックという舞台を楽しんだわけなので、今回は自分がその背中を見せる番だと思う。しっかりと胸を張って、日本代表を背負って頑張りたい」と意気込んでいた大舞台で、しっかりと爪痕を残した。

 ◆鍵山 優真(かぎやま・ゆうま)2003年5月5日、神奈川県出身。

22歳。5歳から競技を始める。19年12月の全日本選手権でジュニアながら3位。20年ユース五輪で金メダル。同年の四大陸選手権でジュニアで銅メダル。シニア転向後初出場の21年世界選手権で銀メダル、22年北京五輪で銀メダル。24年全日本選手権制覇。父は92年アルベールビル、94年リレハンメル両五輪に出場し、93年に全日本3連覇の正和さん。

 ◇団体戦の大会方式 男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目中3種目以上の出場枠を持つ国と地域で、国際スケート連盟の各種目ランク合計上位10チームが参加。予選と決勝で選手を交代できる。ショートプログラム(SP)、リズムダンス(RD)で1位から10位までに10~1点が与えられ、4種目の合計上位5チームがフリーの決勝へ。同じく1~5位までに10~6点が与えられ、予選と決勝の合計で順位が決定する。

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