DeNA、巨人、オイシックスで投手としてプレーし、昨季限りで現役を引退した三上朋也氏(36)が、昨年12月に古巣である社会人野球・ENEOSのコーチに就任した。13年ぶりに古巣に復帰し、指導者としてのスタートを切ってから約2か月。

スポーツ報知では、第2の野球人生を歩み始めた現在の心境などをインタビュー。3回に分けてお届けする。第3回は、プロ入りを目指す選手たちに伝えていることや、理想の指導者像、そして今後の夢について語った。(取材・構成=小島 和之)

 ―チーム内には将来的なプロ志望を持つ選手もいると思うが、そういった選手をプロの世界に羽ばたかせてあげたいという思いは。

 「もちろん、大アリです。目標は個々にあって、年齢層も18歳から30歳過ぎの選手までいる。だから若手の選手はプロを目指している選手がほとんどで、逆に20代中盤から30代の選手たちはもうプロというよりも、やっぱり都市対抗を目指して自分の野球を突き詰めている。ちょっと野球が違うというか…。だけど、個々のいろんな事情がある中でも、まとまって都市対抗を狙うという感じなので。もちろん都市対抗が一番大事であって、その先にプロがあるんだよというのをまず若い選手には教えたい。チームを勝たせてプロに行ってください、という感じで伝えています」

 ―NPBでプレーした立場から、プロを目指すならこういったことが必要だ、ということを伝えたいという思いはあるか。

 「プロ養成所ではなく、都市対抗の優勝が最大の目標。

だから、プロに行きたいんだったらこういう指導する、というのはしないと思います。都市対抗優勝というところに、みんなが矢印を合わせていかないといけない。『俺はプロ行きたいから』といって、矢印を変えてしまっては組織が崩壊してしまい、良くないので。僕は都市対抗で勝つピッチングをすれば、おのずとプロが近づいてくると思うんです。よくよく考えると、プロになるための指導法というのはないんじゃないかなと。投手として隙のない、安定感のある野球を体現していけば、プロサイドのスカウトの人も見ると思っています」

 ―さまざまな指導者の下でプレーをしてきた。いま自分が指導者になって、どんな指導者でありたいと思うか。

 「まだ体も動きますし、キャッチボールで一緒に遠投ができたり、ピッチングも見せられる。そういう指導者には会って来なかったので、若いうちは一緒にやる、見せるスタイルでやっていこうかなと。一緒に体を動かして、一緒に悩みを解決していきたいですね」

 ―指導者として歩み始めた第2の野球人生を、どのような時間にしていきたいか。

 「選手の時と違って、指導者になって見える景色、野球の見方はたぶん変わると思うんですよ。自分がマウンドに立たない分、野球を俯瞰(ふかん)して、ベンチから見る、ブルペンからも見る。

そうするとたぶん感じ方も、思うことも違う。それを楽しみたい。そうすると選手の時に感じた野球の見方も持っているし、指導者になってまた違う野球の見方を見られる。いろんな角度から野球というものにまた向き合って、それを知りたいです」

 ―野球というスポーツをまた違った角度から突き詰めていくと。

 「野球というのはずっと変わっていきますしね。プロはプロのルール、社会人は社会人のルールがあったり戦い方もある。野球とはいえ、違うものが国内には何個かあります。それも含めて知りたいし、興味がすごくありますね」

 ―今の夢は。

 「1人でも多くの選手が目標を達成する。それはプロになることではないかもしれませんが、やり切ったと言えるように。目標達成に向かって『行くぞ!』という人のそばにいると、やっぱり楽しいなとすごく思うので、そういう人と時間を共にしたい。オイシックスの時もそうだったんですけど」

 ―目標に全力で向かう選手をサポートしたいと。

 「もうプレーはできないのでね。できない人間に何ができるかといったら、応援しかない。そういうのを楽しみたいです」

 ◆三上 朋也(みかみ・ともや)1989年4月10日、岐阜県生まれ。36歳。県岐阜商から法大、JX―ENEOS(現ENEOS)を経て13年ドラフト4位でDeNA入団。巨人を経て昨季までオイシックスでプレー。25年限りで現役を引退し、古巣・ENEOSにコーチとして復帰。通算成績は368試合で10勝16敗23セーブ、121ホールド、防御率3・22。190センチ、90キロ。右投右打。

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