巨人の宮崎キャンプで2年ぶりに臨時コーチを務めるOBの松井秀喜氏(51)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=が10日、チームに合流して指導を開始した。フリー打撃後の特打では2年目の石塚裕惺内野手(19)に熱視線を送り、身ぶり手ぶりを交えてアドバイスし「これからのジャイアンツを背負って立つ選手になれるのではないか」と成長に期待を込めて太鼓判。

このほか中山、泉口ら続々と入門者が訪れ助言を送った。

 2年ぶりに訪れた宮崎の曇り空から時折り降る雨を松井氏は気にする様子もなく、打撃ケージの後ろに立った。フリー打撃後の特打。視線の先では石塚がバットを振っていた。24年のドラフト1位で入団した2年目の有望株。巨人の高卒ドラ1野手と共通項のある19歳に、大いなる可能性を感じ取っていた。

 「打撃練習を見た限りでは、高卒2年目の選手として非常に高い能力。これからどんどん成長していけるんじゃないかなというものは感じました。まだ19歳でしょ? 19歳でいい体をしているしパワーもある。これからのジャイアンツを背負って立つ選手になれるのではないかと」

 歩み寄ってきた石塚に、身ぶり手ぶりを交えて約5分間の指導。「何を伝えたかは言えません」と内容は伏せたが、19歳の貪欲さに感心した。「やはり少しでも、何か気になるところがあるのだったら聞きたいと。

そういう姿勢は今日初めて会っていきなり、自分が19歳だったらできないなと思いますよ」。今季は開幕1軍、レギュラーを絶対につかむという思いが伝わってきた。

 積極的な若手のエネルギーを真正面から受け止めるため、強行軍をいとわなかった。米ニューヨークを深夜に離れて、この日の午前4時半過ぎに羽田空港に到着。つかの間の休憩後、午前8時過ぎの飛行機に乗り継いで宮崎のキャンプ地に向かった。初日から5時間以上の指導も、時差ぼけや長いフライトの疲れは感じず。リチャードが選曲した長渕剛の「とんぼ」や松井氏が好きな浜田省吾の「悲しみは雪のように」など練習中に流れていた曲も「自分がプレーしていた頃の曲ばかり。自分がプレーしてるのかと錯覚しました。自分がキャンプをやってるのかなと」と熱血指導を後押ししてくれた。

 阿部監督からは「いい一日になりました。何か思ったことを伝えていただければうれしいです」と感謝された。「自信を持ってシーズンに臨めるように、少しでもその力になれればいい。

ジャイアンツにとって『今年は優勝を目指しません』なんて口が裂けても言えないわけですから。チームとしての目標は毎年日本一じゃないですか。それが変わることは今までの歴史上もない」。今季の日本一を期待した松井氏は長嶋茂雄さんのように、巨人たるものを伝える。(阿見 俊輔)

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