1チーム男女4人で争うスキージャンプ混合団体。メダルが決まれば、表彰台に立つ4人が抱き合う。

私はそう想定し、ゴール後のゲート付近でカメラを構えた。だが、フレームに飛び込んできたのは、メンバー外の伊藤有希(31)だった。涙を浮かべ、高梨沙羅(29)を抱きしめながら「お疲れ様、よく頑張ったね」。高梨はその胸に顔をうずめ、「それまで我慢していたけれど、涙が止まらなくなった」と振り返った。

 失意の北京五輪から4年。スーツ規定違反で失格となり、時間を止められたような日々を経てたどり着いた銅メダルだ。高梨は「4人で取ったメダルではなく、支えてくれた人たちの思いが乗っている」と語った。北京で同じ団体にいた伊藤は、その4年間を知る証人だ。

 この銅メダルは、結果だけではなく、関係性の結晶でもあった。私はその重さを、ファインダー越しに受け取った。(宮崎 亮太)

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