◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スノーボード・ハーフパイプ(11日・リビーニョ・スノーパーク)  

 【リビーニョ(イタリア)】男子予選が行われ、2022年北京五輪王者の平野歩夢(TOKIOインカラミ)が、上位12人による決勝進出を決めた。2回の試技で争われ、高得点が採用された。

1回目は83・00点で7位につけ、2回目は85・50点をマークして7位で突破した。

 平野歩は、1月17日の五輪前最後の実戦となったW杯スイス・ラークスで転倒し、右骨盤など複数個所の骨折、左膝などの打撲を負った。日本に緊急帰国して、リハビリに励んで段階的に練習を再開。「戻れる可能性が1%でもあるならば、ここに来て滑りたい」と諦めずに前を向き、驚異的な回復力を見せた。

 観客からひときわ大きな声援を浴びた。「自分自身もこの場に立てたことをすごい奇跡的な、自分でもビックリしているような状況。今何とかここに立てている状態」と予選後に笑顔で振り返った。膝もいまだに感覚がない。痛みを抱えながら、自分の体の声に耳を傾けながら、2本を完遂した。

 今大会が4度目の出場となる、五輪での経験も生きた。「いろいろなことを無にさせていかなきゃいけないというか。けがのことを考えるのもよくないし、オリンピックっていうことへの先入観を持つことも、気持ち的に普段の自分とズレができてしまう。

そういうことは考えず、本当に自分の中から、けがもそうだけど、こういうお客さんの声援だったりとかも、かき消す。そういう集中っていうのは自分の中で落とし込んで滑った」。究極の「無」の境地で平野歩は戦っていた。

 出場が危ぶまれた舞台に立った。ここに至るまでの周囲のサポートに、感謝の言葉を並べた。「あとは自分がこの場で滑りで恩返しできるような、そんなパフォーマンスを自分自身の中では集中してやっていかないとなというのはある。温かく見守っていただければ幸いです」と優しく呼びかけた。

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