8日のミラノ・コルティナ五輪スノーボード男子のパラレル大回転予選で、斯波(しば)正樹(TAKAMIYA)が1回目でワックスの不正があったとして失格となった問題で、ワックスメーカーの「ハヤシワックス」が12日までに、公式サイトで声明を発表した。

 「斯波正樹選手に関するご報告とお詫び」と題し、まずは「日頃より弊社製品ならびに斯波選手を応援してくださっている皆さまに、多大なご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。

「本件につきましては、斯波選手ご本人より報告を受け、時系列に沿って事実関係の確認を進めてまいりました」とし、「斯波選手を含むチーム選手は、今シーズンを通じてワールドカップ等の国際大会において、弊社ハヤシワックス製品を使用し転戦しており、これまでフッ素検査において陽性となった事例は一度もございません」と説明した。

 「今回のオリンピックでは、レース前のワクシング工程において、チーム選手が異なる場所に宿泊し 専属サービスマンによるワクシングを行ってもらうことができなかった。そのため、コーチにワクシングを依頼した。コーチは弊社ワックスに対しての施工経験が無かったため 他国チーム側で使用されていた海外製ワックスを施工した。という事実が、選手本人の説明により確認されています」と通常とは異なる経緯があったと説明。

 「この点を踏まえ、弊社ハヤシワックス製品からフッ素が検出された事実は一切ないということを、メーカーとして明確にお伝えいたします。本内容は、選手本人からの報告および、現時点で確認できている情報に基づき、お伝え可能な範囲で公表しております」とした。

 そして斯波本人からのメッセージも掲載。斯波は「自分のコーチにハヤシワックスのベースワックスおよびレースワックス一式を袋に入れて手渡しており、当初はそれらを使用してワクシングしてもらっているものと認識していました。しかしレース前夜、ワクシングの途中で一度夕食のために戻った際、『今◯回目を塗っている』『他国チームのサービスマンと同じ内容をすべて教えてもらって塗っている』という趣旨の説明を受けその時点で初めて、渡していたワックスとは異なる内容が含まれている可能性を認識しました」

 「ただし、すでにレース前夜の遅い時間帯であったこともあり、その場で強く踏み込んだ確認や変更を求めることができず、結果として、そのまま競技に臨む判断となってしまいました。この点については、私自身がもっと強く意思表示すべきだったと深く反省しております。そして何より、ハヤシワックス様に対して申し訳ない気持ちを抱いたのが、まさにこの前夜のタイミングでした」としている。

 さらに同社は「現在、一部の新聞およびメディア報道において、あたかも本件において弊社ハヤシワックス製品が使用されていたかのように受け取られる表現が確認されています。しかしながら、選手本人からの報告および現時点で確認できている事実関係から、本件において弊社ハヤシワックス製品がフッ素検出の原因となった事実は一切ございません」と改めて主張。

 「弊社といたしましては、今後も事実に基づいた正確な情報発信に努めるととに、事実と異なる、または誤解を招く表現に対しては、必要に応じて関係各所へ厳重に抗議し、適切な対応を求めてまいります」とし、「改めまして、ユーザーの皆さま、関係者の皆さまにご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。弊社は今後も選手の皆さまに安心してご使用いただける製品づくりに真摯(しんし)に向き合い、信頼に応え続けてまいります」とコメント。

 「また、困難な状況の中でも誠実に競技と向き合い続けてきた斯波正樹選手を引き続き応援してまいります。今後とも、ハヤシワックスならびに斯波正樹選手へのご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。ハヤシワックス代表 林 真子」と斯波への支援を継続していくと説明した。

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