巨人の春季キャンプで2年ぶりに臨時コーチを務めた松井秀喜氏(51)が12日、20年目の坂本勇人内野手(37)について「いいシーズンを送るのではないかという雰囲気は伝わってきた」と今季の復活を確信した。古巣で、3日間にわたる熱血指導を終えた同氏は「日本一を願っています」とチームの巻き返しを期待した。

松井氏は14、15日はWBC日本代表合宿を激励する予定。1軍本体は宮崎キャンプを打ち上げ、13日に那覇へ移動する。

 大好きな南国・宮崎の日を浴びて、うっすらと焼けた肌が松井臨時コーチの充実度を物語っていた。深夜の飛行機に乗って米ニューヨークを飛び立ち、羽田を経由して宮崎に直行し、10日の午前中から始まった3日間の指導。若手選手に対するように熱心に手は施さなかったものの、練習を見ていて今季の復活を確信した選手がいる。背番号6、坂本勇人だ。

 「3000本とか数字というよりも、非常に動きも鋭かったし、動きも良かったし、バットの振りも鋭かった。何か、いいシーズンを送るのではないかというそういう雰囲気は伝わってきました」

 打撃ケージの後ろから連日見守ったフリー打撃。打球の強さなどを目の当たりにして、復調の兆しを感じ取った。前回、24年2月のキャンプで臨時コーチを務めた際、坂本に「見た感じ、まだまだいけそう。3000本以上、打ってほしい」と願ったが同年、25年と成績は低迷。通算2447安打と大台まではまだ遠いが、松井氏は全く悲観していない。

 「(坂本は)ジャイアンツの歴史に名を残す選手になっているわけですから。ジャイアンツファンの皆さんも、少しでも長くプレーする姿を見たいと思うでしょう」

 巨人、ヤンキースなどでプレーした松井氏は日米通算20年で2012年に現役を引退した。坂本は今季がプロ20年目。このキャンプを見た限り“松井超え”が可能だと、レジェンドは信じているようだ。

 坂本だけではなく、全選手に期待をしている松井氏は指導最終日に訓示を行った。「ゲームは3時間なのだけれど、一日のうちで(残りの)あと21時間をどう使うか。ジャイアンツは毎年日本一を目指さなくてはいけないチーム。それを忘れずにやってくれれば絶対に大丈夫」と改めて常勝巨人のおきてを説いた。

 最後は、巨人時代に汗を流した思い出の詰まったひむかスタジアムに足を運んだ。2軍選手に約50分、座学で素振りの大切さなどを説き、夕日を浴びながらドラ6・藤井健翔(浦和学院)を指導し任務終了。「本当に(選手が)積極的に話してきてくれた。私としてもその答えを用意するのに忙しかった。

自分なりに感じたことは全てお伝えしたつもりです」と恩師の長嶋茂雄さんから学んだジャイアンツ魂を注入した。「日本一を願っています」。ナインにとって、充実した3日間が終わった。(阿見 俊輔)

 ◆松井さんの3日間

 ▽10日 2年ぶりに臨時コーチとして合流。野手のフリー打撃中に今年の「門下生1号」としてリチャードから質問を受け、全体練習後も石塚や中山、泉口らから続々と教えを請われた。指導後はキャンプ地内で開催中の「長嶋茂雄 追悼展示」を見学した。

 ▽11日 紅白戦前の練習中にドラフト4位・皆川に助言。紅白戦後の個別練習中には「浦学のジャッジ」が愛称のドラフト6位・藤井に約20分の熱血指導を行った。さらにリチャードと石塚には木の花ドームの選手サロンで約45分の「ゴジラ教室」も開講した。

 ▽12日 午前中の打撃練習中に松本や丸、佐々木らにアドバイス。手締め後はナインにあいさつし、昼食を挟んで2軍練習や個別練習の場に足を運んだ。

 ◆今キャンプの坂本

 ▽1日 シートノックでダルベックと三塁に入り、軽快な動き。

 ▽2日 全体メニューのフリー打撃、200スイング超のロングティー。午後は志願の居残り特打。

 ▽7日 フリー打撃で左翼上段のビッグフラッグを直撃する推定130メートル弾。

 ▽10日 フリー打撃の49スイングで3連発を含む11本のサク越え。

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