◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スノーボード(15日・リビーニョ・スノーパーク)

 女子スロープスタイル予選が行われ、ビッグエア金メダルの村瀬心椛(ここも、21)=TOKIOインカラミ=が1回目に84・93点をマークし、日本勢トップの2位で通過した。17日の決勝では、冬季五輪の個人種目では日本女子初となる「2冠」を狙う。

岩渕麗楽(れいら、24)=バートン=が4位、深田茉莉(19)=ヤマゼン=は7位に入り、日本勢は計3人が決勝へ。鈴木萌々(18)=キララクエスト=は18位で敗退した。

 村瀬の勢いは止まらない。9日(日本時間10日)にビッグエア(BA)で日本勢初の金。2つ目のメダルへ、スロープスタイル(SS)でも1回目に会心の滑りを見せた。前回女王のゾイ・サドフスキシノット(ニュージーランド)に抜かれたが、3位に8点以上も差をつける2位で決勝へ。冬季五輪の個人種目で日本女子初の2冠へ「自分の滑りをしたら結果はついてくる。出し切れたらいい」と意欲を燃やした。

 レールなどのジブとジャンプ台が組み合わさった種目。1つ目のジャンプ台の前で「スピードが出にくい」と漏らす選手が多い。村瀬も「不安だった」というが、最善を尽くした。ウェアを1枚脱ぎ、ビブは片方を下ろし「いかに風を受けないか」と考え抜き、加速するために身軽になって空気抵抗を減らした。

板を真っすぐにし、「ちょっかって(直滑降で)行ったら、めっちゃ飛んだ。自分でもびっくり」。1回目は難条件でも斜め軸に縦2、横2回転半の大技を決めて一時首位。大歓声には、心地よさそうに手を上げて応えた。

 SSは雪辱戦だ。17歳で初出場した22年北京大会は決勝全ての試技で転倒し、10位。「今でも思い出したくない」。時に革ジャンで出たり、人と違う見せ方を追究する村瀬にとって渇望するタイトルだ。「悔しい気持ちをぶつける」と燃えた。

 BAでつかんだ夢の金メダルの後、選手村で会う人、会う人に祝福され、SNSのコメント数もケタ違いに増えた。「めっちゃ(反響が)あった」と頂点への思いを再び強くした。予選2回目に世界選手権で優勝を争ったゾイの圧巻の試技に抜かれ「さすがだなと。

ゾイの滑りを見てもっと燃えた。決勝は全部、完璧な滑りを出したい」。SSでの五輪表彰台も日本勢初となる。21歳のエースが再び歴史に名を刻む。(宮下 京香)

 ◆日本女子の五輪1大会複数金メダル 冬季では18年平昌五輪・スピードスケートの高木菜那がマススタート、団体追い抜きで2冠を達成しているが、村瀬が個人2冠となれば冬季で初。夏季では、21年東京五輪で競泳の大橋悠依が200メートル、400メートルの各個人メドレーで2冠の1例。男子では32年ロサンゼルス大会の宮崎康二(100メートル自由形、800メートルリレー)が初。体操で68年メキシコ市大会の中山彰規が4つの金など。

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