◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 女子フリー(19日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

 【ミラノ(イタリア)19日=大谷翔太】3大会連続出場でショートプログラム(SP)2位から出た坂本花織(シスメックス)が、銀メダルを獲得した。2022年北京五輪の銅メダルに続く2大会連続、そして団体との連続複数メダルは、日本女子初の快挙。

現役引退を表明し臨んだ最後の五輪で、女子のエースが日本フィギュア界に歴史を刻んだ。

 後半のフリップ―トウループの連続3回転が単発になるミスがでた。演技後、中野園子コーチと抱き合うと涙があふれた。「力が最後まで100%出し切れなかったのがすごく悔しい。でもこれだけ悔しい思いをしても銀メダルを取れたことが今までの頑張りが実ったのかなと思う」と振り返った。「奇跡のような銅メダルからこれだけ銀メダルで悔しいと思えるぐらい成長した。4年間頑張ってきてよかった」とラスト五輪をかみしめた。

 3回目の五輪をフルパワーで駆け抜け、メダルで締めた。坂本は今大会、6日の団体SPから計4度出場。シングルでは前例のない挑戦だったが、団体ではSP、フリーともに1位を獲得して日本の2大会連続銀メダル獲得に貢献した。自身の競技日を問わず、積極的に応援席に足を運んで声もからした。ペアで日本初の金メダルを獲得した三浦璃来、木原龍一(木下グループ)組が「かおちゃんがいなかったら、チーム・ジャパンは成り立たない」と言うほど。

チームの絆は、北京五輪の計4個を超えるメダル数で実を結んだ。

 昨年6月、突如今季限りでの現役引退を表明。「中途半端に2年、3年とやるより、いい区切り。次(30年五輪)を目指すとしたら29歳なので、不可能」と引き際を決めた。ミラノ五輪に向け「団体、個人で銀メダル以上」を掲げてトレーニング。シスメックスの新専用リンクが同月にオープンし、練習時間はそれまでの2~3倍に。中野園子コーチと二人三脚で、ラストシーズンの歩みを進めてきた。

 「これが自分、という滑りを見せたい」と挑んだ最後のオリンピック。小学生の頃、鈴木明子さんに憧れ思いを込めた「愛の讃歌」で舞った。17歳で初めて出場したのが18年平昌五輪。25歳となり、8年前の自身とおなじ17歳でデビューした中井亜美(TOKIOインカラミ)、そして20歳の千葉百音(木下グループ)に背中を見せた。日本女子のエースが、有終の美を飾った。

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