WEST報知では、第98回センバツ高校野球大会(3月19日開幕・甲子園)の注目選手を「この選手 イイじゃん」と題し、随時、紹介する。第1回は、2年連続4度目出場の滋賀学園・土田義貴と伴田(ばんだ)蒼生の両投手(ともに2年)。

そろって土田の兄・悠貴投手(3年)の背中を追って成長した。“三角関係”の両輪が、憧れの甲子園にデビューする。

 兄と同じユニホームでの夢舞台を前に、滋賀学園の左のエース土田は「お兄ちゃん以上の投球を」と燃えている。1学年上で日大に進学する悠貴投手は甲子園に2度出場。8強入りした24年夏は2試合に登板し、昨春も好投した。下級生時から活躍した姿に憧れて入学した弟は、昨年のセンバツはボールパーソン。「同じ球場にいるのに遠かった。次は自分が…」。1年前の誓いを実現した。

 最速145キロ右腕の兄とタイプの異なる136キロ左腕。歩みも、入学前から期待された兄と真逆だ。中学1年で身長170センチに達した兄より成長期が遅く、中学2年夏で160センチ前半。

ようやく伸びた3年の球速も120キロ前後だった。強豪への進学は無理だという周囲の声にあらがい、同じ道へ。兄が石川・金沢市に帰省した時に助言を求め、入学前から猛練習を積んだ。昨秋は腰のけがに悩みながらも、近畿大会準々決勝の近江戦で1失点完投。センバツ出場を確実にする快投を演じた。

 土田の不調時に、伴田がチームを救った。前チームでは公式戦の経験がなく、「マウンドに立てるとは思っていなかった」と、最速138キロ右腕。近畿大会1回戦(対乙訓)の2失点完投など、山口達也監督(54)も「うちの救世主。秋は伴ちゃんのおかげ」と驚いた。中学時代は外野が主戦場。「自信はなかったけど、挑戦したかった」と、投手を志願して入部した男が予想以上の成長を見せた。

 「最初はフォームもめちゃくちゃ」と、回想する伴田の師匠も土田兄だ。

1年冬に「一から全て教えてもらった」と激変した。寮に帰っても、付きっきりで自主練習。兄弟以上の時間を過ごし、「センバツでも土田(弟)に負けたくない。いいライバル関係で頑張りたい」と肩を並べた。

 土田も「秋は伴田に頼りっぱなしだったので」と、意地をにじませる。ともに中学時代は控え投手。同じ背中を追い、高校で進化した両輪が滋賀学園の伝統をつなぐ。(安藤 理)

 ◆土田 義貴(つちだ・よしき)2008年8月10日、石川・金沢市生まれ。17歳。伏見台小2年から軟式の伏見台ファイターズで野球を始め、高尾台中では白山シニアで全国大会出場。高校では2年夏からベンチ入りし、2年秋は背番号1。174センチ、69キロ。

左投左打。

 ◆伴田 蒼生(ばんだ・あおい)2008年12月11日、滋賀・野洲市生まれ。17歳。祇王小4年から軟式の近江富士スポーツ少年団で野球を始め、野洲北中時代は草津シニアでプレー。高校では2年春に初めてベンチ入りしたが、夏はベンチ外。176センチ、76キロ。右投左打。

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