甲子園の次は、世界を目指して―。昨夏の甲子園に出場した千葉・市船橋で、ダブル主将の1人としてチームをまとめた吉田航成内野手(3年)は、昨年8月に高校野球を終えてから異国を訪問して今後の人生の指針となる経験を積んでいる。

背番号16を背負って聖地のグラウンドに立った甲子園球児は、なぜ世界に目を向けるのか。その理由に迫った。

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 23日、船橋市内の同校グラウンドで自主練習を行った吉田選手を取材した。夏の千葉大会を目前に控えた昨年6月、米カリフォルニア州のモロー高校との交換留学生に応募。在籍する体育科からの応募は「自分が初めて」だったが、早朝や休み時間を有効活用して英語の勉強を進めた。30人の応募者のうち、吉田選手以外は普通科国際教養コース在籍者だったが、英語による面接などを突破して派遣団の10人に選ばれた。

 約2週間の滞在は、自身の考え方に影響を与えるのに十分な時間だった。「学校の中でも、日本よりも厳しいんじゃないか?と思うくらいのルールがある。それを生徒が守って、その上で自由を得ていました。みんながしっかりと根拠を持って、自分の意見を言える姿にも感銘を受けました」。それまでも英語は好きだったが、より国際交流への興味が強くなった。

 目的ができたことで、課題がはっきりと見えた。

「国によってのいろんな文化、考え方を見て、触れたい。そのためには英語が必要だと思った」。今月中旬まではフィリピンの語学学校に通い、校内では英語以外禁止というルールの中で、平日は午前8時から午後10時まで英語漬けの2週間を過ごした。「まだまだ深い会話はできない」と苦笑するが、日常会話には自信を深めて帰国した。

 次のステップとして選んだのが、プエルトリコだ。若手野球選手の育成と国際交流の促進を目的として、3月下旬に行われる「アメリカ合衆国 プエルトリコ U18国際野球大会」に参加予定。日本、米国、プエルトリコ、ドイツ、メキシコ、豪州、チェコなど9つの国・地域から選手が集う大会とあって、「野球も国際交流も好き。この2つを兼ね備えた、こんなにいい経験はないと思った。英語をどんどん使って交流したいし、初めて知ることがたくさん知られるのは、すごく楽しい」と心待ちにしている。

 4月からは都内の有名私大に進学予定。部活としての野球には一区切りをつけるが、野球を愛する気持ちは変わらない。「大学でもアフリカなどの地域に行って、ボランティアで野球を教えたいと思っているんです。

大学1年時にもう一度留学して英語力を身につけて、2年生になったら行こうと考えています」と、青写真を描いている。

 大学卒業後の夢はパイロット。一方で、全力を注いできた野球への恩返しの思いも抱く。「まだはっきりとしたプランは立っていないんですけど、野球をもっと盛り上げたいという気持ちはあります。野球は一生好きなので」。市船魂を胸に秘め、世界に飛び込もうとする姿はまぶしい。同校野球部OBの1人として、今後の大学生活が充実した時間となることを願ってやまない。(アマ野球担当・小島 和之)

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