22日に閉会式を迎えたミラノ・コルティナ五輪。その五輪期間中、ミラノ市中心部に「福岡ハウス」という交流空間が設けられた。

福岡県などが主体となって、各競技団体や現地の人との交流を深めることを目的に設置。様々な国際大会誘致に乗り出す同県が、自治体としては初めてという取り組みを行った。

 福岡では長らく、飯塚国際車いすテニス大会が行われ、2001年には世界水泳福岡大会が開かれた。近年ではバレーボールのネーションズリーグ、スポーツクライミングのグランドファイナルが行われるなど、幅広いジャンルの国際大会を県内に誘致している。23年には、世界水泳が22年ぶりに福岡に戻ってきた。街は活気づき、経済効果も数百億円と試算された。

 国際大会の誘致は街への好影響がある一方で、負担費用は増加傾向にある。今回「福岡ハウス」を設けた理由の一つとしては、そうした時代の流れの中、人とのつながりを作ることでの費用対効果も見込んでいるという。担当者は「ネットワークを作ることで、費用を抑えながら誘致を目指す」と話す。大会期間中は、各競技団体の役員なども訪問。縦や横のつながりを作ることで、長い目線での効果に期待している。 

 国際スポーツ大会の開催は、単に経済効果だけがメリットではない。

2001年の世界水泳、筆者は現地に足を運び、当時のスーパースター、イアン・ソープ(豪州)の泳ぎを目の当たりにして衝撃を受けた。「ソープになりたい」と夢を持ったきっかけでもあった。担当者は言う。「経済効果も確かに大事だが、目に見えない、そういった子どもたちの夢や希望という、数値化できないとろこも大事」。次世代に夢を与える場としても、開催には一つの意義がある。

 近年、五輪競技に問わず大会開催費用の負担は誘致先の課題となっている。ミラノ・コルティナ五輪が初の複数都市、広域開催となったように、様々な面で負担を分担する風潮がスポーツ界には出てきている。「人とのつながり」という、足元をみつめた取り組みを行っている福岡。いずれ五輪競技が行われることも、地元には期待せずにいられない。(大谷 翔太)

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