ミラノ・コルティナ五輪でフィギュアスケートペアで日本勢初の金メダルに輝いた三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が25日、東京・千代田区内の日本記者クラブで会見した。

 ショートプログラム(SP)はリフトでミスが出てトップと6・90点差の5位と出遅れた。

翌日のフリーで五輪史上最大の逆転劇。大一番に臨むまでの気持ちの変化について触れた。

 木原は「正直、ショートプログラムが終わった直後は、もう絶望感しか自分の中には残っていなくて。点数差を見た時も、逆転は厳しいかなと自分は感じてしまっていた。7年間積み上げてきたものが、もうここで終わってしまったんだっていう絶望感とずっと闘っていた」と当時の胸の内を語った。

 気持ちを切り替えようと試みるも、涙があふれる。これまでのスケート人生で初めての経験だった。「自分でも何が起きているか分からない状況に陥ってしまっていた」。助け出してくれたのは、パートナーの三浦、コーチ、トレーナーの言葉だった。日本からも温かいメッセージがたくさん届いた。「やっぱりこんな形で自分がオリンピックを諦めていいのかっていう思いが徐々に湧いてきた。そこで最後、絶対勝ちに行こうっていう気持ちをもう一度自分の中で作り直した」

 フリー当日の公式練習でも、まだ引きずってしまっていた。

やはり涙が自然と出た。練習後、木原はトイレに向かった。「このまま泣いていたらダメだっていうふうに自分の中で切り替えた。最後この泣いた顔を、トイレで顔を洗って全部流して、そこからもう一度強い自分に戻っていくっていうふうに自分の中で、心の中でつぶやいた。最後もう一度、璃来ちゃんのところに行って『もう僕は大丈夫』って宣言した。そこからしっかり立ち直った」と明かした。

 三浦は「本当に初めて、木原選手の口から、『今までこの7年間頑張ってきた結果、ショートプログラムでミスをしてしまった。こういう結果になってしまった』みたいな感じのことを聞いて。彼は普段すごくポジティブで、失敗しても、次に挑戦できる方なんだけど、初めてその言葉を聞いた」と口にした。

 9歳上の木原を励まし続けた。「もう一回やり直したいなという思いもずっとあったけど、終わってしまったミスはもうしょうがないと感じていた。どう切り替えてフリープログラムに臨むかっていうのが一番大切だと私は思っていた。

ミスとしてはすごく悔しい部分があったけど、本当にそのミスが私たちを大きく成長させてくれたと思う」と振り返った。

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