◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 2月。9年ぶりにヤクルトの沖縄・浦添キャンプを取材した。

当時とメンバーも入れ替わり、顔見知りの選手は少なくなっていた。不安に感じていたが、初日の朝、あの頃と同じ笑顔で「おう、晃大!」とあいさつしてくれたのが中村悠平捕手(35)だった。

 名字で得をすることはあまりない。名字由来netでは全国で8番目に多いとされ、学生時代はクラスに2人以上が当たり前。小学校では「中村こ」、中学以降は「中村晃」と表記された。誰ともかぶらない珍しい名字が憧れだった。

 ヤクルト担当をしていた2016年。当時24歳にして“中村で良かった”日が訪れる。神宮の一塁カメラマン席でバント練習を見ていた。ボール拾いを手伝っていると声をかけられた。「同じ中村ですね」。首からぶら下げていた取材パスの名前を見てくれていた。

そこから交流が始まった。

 15年プレミア12から日本代表に選ばれていた中村悠だが、受け答えは丁寧そのもの。「ムーチョ」の愛称は、若手時代にたまたま食べていたスナック菓子「カラムーチョ」が由来。本当は堅あげポテト派であると公言するなど、リップサービスで盛り上げてくれることでも助かる存在だ。

 23年WBCでは決勝の米国戦に先発出場。9回2死、トラウトを迎えた場面では「ガチで初見だった」という大谷のスイーパーを見事に捕球。空振り三振に仕留めて“胴上げ捕手”になった。「あの映像は俺が死んでも使われるよね(笑)。もうあんな(極限の)場面は勘弁だけど」。そう言いつつも、今回もおいしい場面を狙っていますよね? 中村悠はニヤリと笑い、沖縄から侍合宿が行われる宮崎に飛び立った。(メジャー担当・中村 晃大)

◆中村 晃大(なかむら・こうだい) 14年入社。ソフトバンク担当の22年、中村晃(あきら)内野手に自己紹介。

名刺の漢字に驚かれた。

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