◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 騎手は、レースで初めて馬とコンタクトを取り結果を出す仕事人タイプがいれば、調教からまたがり馬を作っていく職人かたぎもいる。

 美浦のベテラン松岡正海騎手(41)は後者の代表で、「これが楽しくて仕事をしているんだ」と状態のジャッジをしてくれる。

ときおり競走馬の身体的構造にまで及ぶ語り口は、記者の見識も広がる有意義な時間だ。

 現在、美浦に滞在している西の大御所・岩田康誠騎手(51)も馬を“自分仕様”へ作り上げ、多くのトロフィーを獲得してきた。ファンからは「天才肌」というイメージをもたれがちだが、その理論は緻密(ちみつ)な計算と豊富な経験に裏付けされている。

 先日の東京新聞杯で初めてコンビを組んだG1馬シャンパンカラーは惜しくも4着。レース後「こういう馬を調教していきたいよなあ」と感慨深げな表情を浮かべていた。「本当に賢い。人間より上ちゃうか?(笑)。さすがG1馬って感じなんよ」とポテンシャルの高さを力説。一方で、「めっちゃ賢いから、人間が無理に出そうとすると反発するんやろうなあ」と課題になっている出遅れの原因を分析した。

 説得力と含蓄にあふれる話で、素質馬復活のポイントをつかみかけている手応えを感じさせた。今後もコンビが続いていけば、どこかで再びタイトルを獲得する。そう確信している。

(中央競馬担当・角田 晨)

 ◆角田 晨(つのだ・あきら) 2016年入社。ボートレース担当を経て、23年春から現職。

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