◆明治安田J1百年構想リーグ ▽第4節 FC東京0―2柏(28日・味の素スタジアム)

 柏は敵地でFC東京に2―0で勝利し、百年構想リーグ初勝利を手にした。

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 MF瀬川祐輔にはゴールを決めなければいけない理由があった。

後半22分から途中出場すると同37分、エリア右から自身が放ったシュートは一度ブロックされるが、こぼれ球が再び自身のもとへ転がってきた。「コースを狙って蹴れば入るなと思った。狙うコースもボールが転がってきた時に見えていた」。左足から放たれたシュートはゴール左下へ吸い込まれ、チームの初勝利を決定づける一発となった。「少しぼてぼてだったが、スンちゃん(キムスンギュ)が取れないなら、いいコースだったのかな」と振り返った。

 ゴール直後、瀬川の顔には笑顔ではなく、涙が浮かんでいた。瀬川は試合後に「個人的な問題なんですけど、おじいちゃんが亡くなった。ちゃんとお別れして、1番直近の試合が今日だった」と切り出し、自身の父方の祖父の死が理由だったことを明かした。天皇誕生日の23日に100歳で亡くなったといい、2日前に行われた葬式では、祖父の棺の前でゴールを取ることを約束。有言実行となり「絶対決めようと思っていた。とにかく今日、点を決めようと、本当にそれだけを考えてピッチに立っていた。それが出来て本当にホッとした」と感無量だった。

 明大から群馬でプロ生活を始める際も、祖父に報告した。既に他の就職先が決まっていた中での挑戦だったこともあり心配されたというが、最終的には背中を押された。高齢のため「おじいちゃんにサッカーの試合を学生時代は見せたことない。プロも1回くらいしかない」というが、映像では常に見てもらったという。「何歳になってもじいちゃんの家に行ったら、『ここはこうだ、ここはああだ』って言われて。サッカーやったことないのに」と思い出を語りながら「そういうのも(これからは)出来なくなる…」と、寂しげな表情も浮かべた。

 「改めて伝えられるときに伝えなきゃなと思いましたし、点を取れるときに取っておかないと。結局、プロになってからはいい思いをさせ続けられなかったですけど、これからも見ててくれていると思うので。今日はそれの第一歩」と瀬川。祖父への思いを胸に刻みながら、ベテランとして愛するクラブを引っ張り続ける。

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