◆明治安田J1百年構想リーグ(イースト)▽第4節 浦和2―3鹿島(28日・埼玉スタジアム)

 【浦和担当・金川誉】鹿島に3失点逆転負けを喫したミックスゾーンで、キャプテンの渡辺凌磨に聞いてみた。この敗戦を経て、今年のチームの方向性に微調整を加える必要はあるか、と。

すると、キャプテンははっきりと前を見据えて「いや、ないですね。次、勝てます」と言い切った。ショッキングな敗戦にも、何かを感じ取っているようにも見えた。

 序盤は狙い通りの展開だった。前半14分、MF金子拓郎が右サイドを突破すると、期待のルーキーFW肥田野蓮治がスライディングで押し込み先制。さらに同19分、CKからファーサイドの渡辺が押し込んでリードを奪った。渡辺は自身のゴール後、チームメートに向けて落ち着きを求めるようなジェスチャーで呼びかけた。その後は、スコルジャ監督いわく「鹿島のビルドアップは非常に質の高いもので、時間が経つにつれわれわれのプレスをかわすようになり、チャンスを作られるようになってきました」という展開に。前半終了間際、押し込まれて与えた相手CKの流れから、PKを決められ、2―1でハーフタイムへと入った。

 1点差に迫られた嫌な流れ。ここでハーフタイム、渡辺は仲間たちとともに、リードを守るのではなく「3点目を取りに行こう」と決め、後半立ち上がりは再びハイプレスを仕掛けた。しかし「それが、チームのコンパクトさを欠けさせた部分があるかもしれない」と語ったように、鹿島の勢いを止めることができず。

ハイプレスをかいくぐられてカウンターを受け、その流れで与えたCKから、後半10分に2失点目。この事実を、渡辺は「たらればなので、(正解かは)わからないですけど、もうちょっと落ち着いて試合展開を見ながら、主導権を握られるなら握らせとけばいい、そこまで考えた方がよかったのかもしれない」と振り返った。

 後半18分には、コンディション面の不安により、出場に時間制限のあるFW肥田野がFWキーセテリンと交代。俊足の肥田野が退いたことで、スコルジャ監督はカウンターのスピードを前線に加える意図で、好調だったMF金子拓郎に代えて、スピードのあるFW二田理央を投入した。その二田は同19分にMFサビオのラストパスからビッグチャンスを迎えたが、シュートは枠を捉えられず。結果的には、このチャンスを決めきれなかったことが、最後に響くことになった。

 その後は互いにチャンスも迎えたが、後半終了間際に、CKから勝負強さを発揮したのは鹿島だった。渡辺は「僕らのミスからセットプレーを奪われ、それを得点につなげられた。(鹿島は)そういうチームだとわかっていたのに、そういうプレーをしてしまったのは反省点の一つ」と、CKの守備対応を含めて課題を挙げた。さらに後半はオープンな展開が増えたが「そこは問題ではない。鹿島がオープンな展開に強いと言っても、そこは僕らの方が強いと自信を持っている。ただ1対1の場面で負ける回数が多かったのは反省点。

それにカウンターに行くときに、周りとの距離が遠くて孤立してしまった。マークを外しきれなかった。一辺倒の攻撃になってしまった。その一つ一つの積み重ねで、相手にCKを与えてしまった」と次々と課題を挙げた。

 90分間では今季初の敗北。ただ、今季はハイプレスの比重を上げて昨季以上にアグレッシブなスタイルを導入した中で、鹿島から序盤に2点を奪った。スコルジャ監督は「我々が得られる教訓は、このような良いチーム(鹿島)との対戦のときは、あまりオープンな流れに持っていかないほうが結果につながるということです。ただ、昨年と比べると、よりオープンな展開は我々が目指しているもの。そのスタイルに持っていくプロセスの中で、ミスはつきものだと思います。サポーターの方々にとっては悲しい結果になってしまいましたが、我々の方向性はそちらに向かうものだと思います」と説いた。

 自陣で守る時間が長かった昨季と比較し、今年のスタイルは今の選手たちにやりがいと充実感を与えているようにも映る。それでも昨季王者には及ばず、課題がいくつも浮き彫りになった。

この敗戦を糧に、流れや時間帯に応じた戦い方を実践することが直近の課題だ。キャプテンが語った「次、勝てます」という言葉は、次の段階への道筋が見えているからこそ、なのではないだろうか。

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