第98回センバツ高校野球大会(19日開幕・甲子園)に出場する北照のベンチ入りメンバー20人が確定した。背番号20の左腕・寺川粋一(きいち、1年)投手は、高校入学後初のメンバー入り。

親交のある元日本ハム・多田野数人氏(45)も武器としていた“超遅球”を大舞台でも臆することなく投じていく。

 北照投手陣に技巧派左腕が加わった。昨秋メンバー外から激しい競争を勝ち抜いて初めて背番号を手にした寺川は「うれしいとは思っているけれど、それと同時に粉骨砕身でチームに貢献したいという思いであふれかえっている」と気を引き締めた。

 昨秋はベンチ入りまであと一歩のところまで迫ったが、中学時代に剥離骨折した左肘の痛みが再発し、スタンドで全道優勝の瞬間を見届けた。オフは1日の食事回数を6から8食に増やし、肉体改造に着手。体重は5キロほど増えて70キロを突破し、「球の威力とかで成長を感じている」。2月上旬の静岡合宿中に実施された紅白戦では2試合11イニングを1失点18奪三振と好投してアピールに成功した。

 直球の最速は132キロだが、70キロ台のスローカーブや多彩な変化球を織り交ぜて打者を打ち取っていく。「偶然です」と言いながらも、その投球スタイルは、今でも親交のある元プロ野球選手の現役時代の姿と重なる。

 多田野氏は立教大卒業後、マイナー契約から昇格し米大リーグ・インディアンス(現ガーディアンズ)で2004年からの2シーズン計15試合の登板で1勝1敗の成績を残した右腕。08~14年までは日本ハムで超スローボールを武器に7年間で計80試合に登板し18勝を挙げるなど活躍した。祖父が中学時代に指導していた縁で、幼い頃からケガ防止のトレーニングやケア方法についてアドバイスを受けてきた。

今でも実践しているという。ベンチ入り決定後も電話で報告し、「少し(スタイルが)似ているなという部分も感じる。甲子園で投げている姿を見てもらいたい」と意気込んだ。

 チームには、エース・島田爽介、最速149キロ・中谷嘉希という右腕二枚看板がいる。ベンチ入り唯一の左腕である寺川は「先輩方が(主戦で)投げているので、その火消し役になれれば。打たせて取る投球でチームに貢献できたら」。球速差約60キロの緩急で全国の強打者に立ち向かっていく。(島山 知房)

 ◆寺川 粋一(てらかわ・きいち)2009年12月5日、東京都生まれ。16歳。梅若小3年時に堤若草で野球を始める。桜堤中では野球部のほかに柔道部にも所属し、都大会で3位に入った。北照ではセンバツで初めてのベンチ入りとなる。

左投左打。175センチ、70キロ。ヤクルトファンで、好きな選手は同球団の田口麗斗。

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