女子プロゴルフツアー開幕戦のダイキンオーキッドレディスは、5日に沖縄・琉球GCで初日を迎える。昨年7月に左手首を痛め、残りのツアーを全休した小祝さくら(27)=ニトリ=が2日までにスポーツ報知の単独インタビューに応じ、約7か月ぶりの実戦を前に思いを語った。

ツアー通算12勝の実力者は復帰イヤーを「未知の世界」と表現。すべてを受け入れ、楽しみながら前に進んでいく。(取材・構成=高木 恵)

 シーズン中は3月から11月まで、毎週ゴルフ場で過ごす。休養中の日々は、新たなパワーチャージの機会となった。

 「ユニバーサルスタジオに行ったり、映画館に『ズートピア』を見に行ったり。ボーイネクストドアとかライズのライブにも行った。今までできなかったことをやろうと思って。ただ暇にしていると時間の無駄だから」

 プロレスファンの小祝は、1月4日に勝みなみと新日本プロレスの東京ドーム大会を生観戦した。棚橋弘至の引退試合だった。

 「『100年に一人の逸材』って言われているんですけど、本当にそういう選手だなって。あんなにたくさんの人に見送られて、引退する選手ってなかなかいない。ウルフアロン選手の勝利にもすごく感動しました。

頭を刈り上げで出てきたり、気合を感じました。筋力、持久力みたいなパワーもすごくて」

 小祝は窮地に陥っても小祝のままだった。冷静で穏やかでポジティブなまま。どん底を実感することはなかったのだろうか。

 「(即答)全然ですね。今回けがをしたことも多分そういう運命というか、何か意味があるけがだったんじゃないかなって思いながらやっているから」

 開幕戦で約7か月ぶりの実戦を迎える。

 「昨年予選落ちだったので、今年は、どうなるのか不安もあります。沖縄の芝は癖があるし風も強いので、対応できるかなとか。でもハワイのコースでダイキンっぽいなと思いながらラウンドをしていて、いいゴルフもする日もたくさんあったから。ただ、1日良くても4日間続けられるのかはちょっと心配」

 慎重に試合を積み重ねていく。復帰シーズンへの焦りはない。「未知の世界」を楽しむ覚悟でいる。

 「もちろん優勝争いもしたいけど、まずは予選を通れるか。予選落ちが続く可能性もある。そういう時に気持ちを落とさずに、経験だと思って夏場へ仕上げていくとか、いろんな状況が起こり得ると思うんです。想像以上に成績がいい場合もあるかもだし。未知の世界っていうか。どうなっても自分は気にせず対応できるタイプなので、どうなるかを逆に楽しみながらやりたいです」

 今季のテーマに「初心」を掲げた。

 「筋力だったり、飛距離、スイングをこうして取り戻そうって思うのも初めてで、いろんなことが一からのスタート。当たらないところからのスタートで、どんどん振れるようになって今がある。そう考えると、ルーキーの頃に戻った感じがします。初心に戻って頑張っていきたいです」

「鉄人」いないツアーさみしかった

【取材後記】昨年7月25日、福岡での大東建託・いい部屋ネットレディス。最高気温38・4度を記録した2日目のことだった。暑さでもうろうとした意識が、一気に現実に引き戻された。

2週連続優勝へ首位発進した小祝が、第2ラウンド9ホール終了後に棄権した。2017年のプロテスト合格後ツアー259戦目で初めてのことだった。

 左手首を氷のうで冷やしながら、取材に応じた。「手首を返す動作が痛かったので、これはやばいなと。後半、この腕じゃ無理だなと思った」。丁寧に自分の言葉で状況を説明する姿に、小祝の人柄がにじんだ。18年から24年8月まで日米228試合連続出場を遂げた「鉄人」。小祝がいないツアー会場は、やはり寂しい。たくさんのファンが復帰を待っていた。小祝がコースで見せる笑顔を想像するだけで、新シーズンが楽しみになる。(高木 恵)

◆小祝 さくら(こいわい・さくら)1998年4月15日、北海道・北広島市生まれ。27歳。

8歳でゴルフを始める。飛鳥未来高卒業後の2017年、プロテストに一発合格。19年7月のサマンサタバサレディースで初勝利。昨季は7月の明治安田レディスを制し、7年連続優勝。故障により出場はシーズン半分の18試合にとどまるも、メルセデスランキングは14位。ツアー通算12勝、生涯獲得賞金8億2745万404円。趣味は音楽、ライブ、食べること。158センチ。

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